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障害者雇用でクビになったら?不当解雇の判断基準とトラブル対処法

公開日:

障害者雇用ではたらいていて、ミスや注意されることがあり、このままではクビになってしまいそうだと心配になっていませんか。また、過去に契約が更新されなかったり、雇止めにあったりしたことがあり「また解雇されるのでは…」と不安を感じている方もいるかもしれません。

この記事では、障害者雇用でクビになる可能性と、解雇や契約が更新されないリスクを高める要因について解説します。不当解雇や退職トラブルの正しい対処法も紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。

障害者雇用でクビになる可能性はある?

結論として、障害者雇用枠であっても、一般枠と同じく、雇用契約が終了になることはあり得ます。ただし、障害者雇用は障害者手帳を持っていることを前提としているので、障害があること自体や単なる能力不足、業務内容とのミスマッチなどで直ちにクビになることはほとんどありません。しかし、法的に正当な理由があると見なされた場合、障害者雇用でも雇止めや解雇になる可能性があります。

障害者雇用における「クビ」の種類

ここで、障害者雇用において「クビ」とはどのようなことなのかを整理しましょう。

解雇

「解雇」とは、企業から契約解除の通知を受けて退職することです。主に「普通解雇」「整理解雇」「懲戒解雇」の3種類があります。

解雇の種類概要
普通解雇従業員の能力不足や勤怠不良を理由とした解雇
整理解雇業績悪化などによる人員削減を目的とした解雇
懲戒解雇重大な就業規則・法律違反への処分として申し渡される解雇

それぞれ一定の条件を満たし、合理的かつ社会通念上相当だと見なされる理由があれば、従業員の同意なく雇用契約が終了になる可能性があります。

雇止め(契約終了)

「雇止め(やといどめ)」とは、契約社員や嘱託職員、アルバイト・パートなどの有期雇用契約の満了時、更新されずに退職することです。一般的に、有期契約による働き方は、一定期間ごとに更新するシステムになっています。ただし、契約終了はあくまでも客観的な合理性があることを前提としており、企業が自由に雇止めにすることはできません。

退職勧奨

「退職勧奨」とは、企業が従業員に自主退職を勧めることです。例えば「このまま雇い続けるのは難しい」「辞めることを考えてみて」といった言葉で伝えられることが多い傾向にあります。ただし、退職勧奨は双方の合意が前提となっており、従業員が拒否した場合は、企業が一方的に辞めさせることはできません。

「契約更新しない」と言われたら?不当かどうかを判断する6つのポイント

通常、雇止めや解雇は、合理的な理由に基づく正当な判断によるものです。しかし、中には不当な行為とされる雇止め・解雇も存在します。ここでは、不当解雇かどうかを見極める6つの判断基準を確認しましょう。

客観的・社会通念上の合理性

雇止めや解雇の正当性を判断するうえでのキーポイントとなるのが「合理性」です。客観的に見て合理的で、社会通念上相当だと見なされる理由のある雇用契約終了は、法的に認められています。

なお、合法な範囲の雇用契約終了の理由として、以下のような例が挙げられます。

【個人の都合による雇止め・解雇理由の例】

  • 著しい勤務態度・勤怠不良(無断での欠勤や遅刻、早退を繰り返すほか、申告済みであっても回数が多すぎるなど)
  • 業務遂行上の支障(会社側が合理的配慮・支援を行ったにもかかわらず、業務の遅延やミスを繰り返すなど)
  • 正当な理由のない業務命令違反
  • 業務上必要な資格の喪失
  • 重大な服務規律・法律違反

【企業側の都合による雇止め・解雇理由の例】

  • 事業縮小による人員整理
  • 業績悪化による人件費削減
  • 部署・支店の閉鎖
  • 倒産・廃業などの経営危機

従業員側に会社に大きな不利益をもたらす明らかな行為があった場合、雇止め・解雇の合理的な理由があると判断される可能性があります。また、企業側のやむを得ない都合によって雇止め・解雇が行われることもありますが、人員削減の必要性や回避努力、削減する人選の合理性、対象者への適切な説明・協議の有無を基に慎重に判断されます。

合理的配慮の有無

法律上、すべての企業には、過重な負担にならない範囲で、従業員への合理的配慮の提供が義務づけられています。また、企業が従業員の能力不足や勤怠不良、問題行動を理由として雇止めや解雇を申し渡す際は、事前に企業が適切な指導や支援、配置転換などの対策を行っていることが前提です。

従って、やむを得ない理由がないにもかかわらず合理的配慮が適切に提供されず、その結果生じた能力不足・勤怠不良による解雇・雇止めは法的に不当な行為だと考えられます。また、特性上必要な配慮やサポートを求めたことを理由とした不利な扱いや契約終了、解雇も法律違反です。

契約期間や更新回数

過去に雇用契約が何回更新されているかは、契約終了や解雇の合理性を判断する際の基準の一つです。目安として、契約を複数回更新している場合、社会通念上「企業が従業員に継続した勤務を期待している」と考えられ、雇止め・解雇の合理的な理由があるとは見なされない可能性があります。また、5年を超えて更新している有期労働契約は、労働者が申し込むことで、無期労働契約に転換できるルールも存在します。

雇用継続への期待が認められる事情

一般的に、雇止めや解雇は、さまざまな事情を総合的に見て判断されます。会社側に「雇用継続への期待が認められるような事情があったかどうか」もその一つです。勤続年数が長く、恒常的な業務を長期に渡って担当していた場合、会社から長期雇用を期待されていると見なされる可能性があります。

ただし多くの場合、最も重要な判断基準は客観的に見た「合理性」です。そのため、仮に永続性が認められたとしても、その他の事情から、雇止め・解雇が有効だと判断されるケースもあります。例えば「更新を何年間も繰り返していた」「実質的に正社員と同じ業務を一定して任されていた」「来年もはたらけると伝えられていた」など、雇用継続への期待が認められるような事情がありながら、突然の雇止め・解雇を言い渡された場合は、話し合いの余地があるかもしれません。

解雇予告があった期間

原則として、企業が従業員を雇止め・解雇する際には、まずその予告と、本人との面談を経て通知しなければなりません。解雇予告期間は、解雇日の30日前までです。同じく、有期契約ではたらいている場合も、事前通知が必要になるケースがあります。解雇予定日の30日前を切ってから雇止め・解雇を予告された場合は、30日に不足する日数分の解雇予告手当の支給を受ける権利が発生します。

また、労災による休職中の場合、その間およびその後30日間の雇止め・解雇は無効です。併せて、面談の際、十分な合理的配慮が行われたかどうかも話し合い、雇止めや解雇に客観的な合理性があるかどうかを確認しましょう。

退職強要の有無

退職勧奨の際、退職を一方的に強要するような行為を受けていないかどうかは、雇止め・解雇の合法性を判断する重要なポイントになります。なお、退職強要の具体例は以下の通りです。

  • 執拗な説得
  • 長時間の引き止め
  • 恐怖心や不安感をあおるような言動
  • 周囲から孤立させるような行為

こうした企業側の強要に従うと「自己都合での退職」だと処理されてしまうかもしれません。退職の意思がないにもかかわらず、強要と思われる言動・行為を受けた場合は、直ちに合意するのではなく、法律の専門知識のある第三者に相談することをおすすめします。

障害者雇用で退職トラブルがあったときの対処法

ここでは、障害者雇用での不本意な雇止め・解雇を回避するためのポイントを紹介します。

なお、下記の窓口に相談する場合は、雇止め・解雇の通知書があると手続きや説明がスムーズです。会社には、従業員の解雇・雇止めの予告通知書の交付を求められたら応じる義務があるので、相談前に交付を申請してみてください。もし交付を拒否された場合は、その旨も併せて相談してみましょう。

上司や人事担当者と話し合う

雇止め・解雇やその予告がなされ、納得いかないときは、まず会社の上司や人事担当者と話し合うことをおすすめします。契約終了の理由、これまでの評価・実績、合理的配慮の実施状況などを聞き、雇止め・解雇に客観的な合理性や正当性があるかどうかなどを確認しましょう。

話し合いの結果、誤解や認識のズレが解消されたり、配置転換・業務の調整などが行われたりすることで、就業継続につながる可能性もあります。もし結果に納得いかなくても、面談の記録や履歴が外部相談の際の参考資料になるため、会社との話し合いを求めることが肝心です。

外部の専門機関に相談する

社内での話し合いの結果に納得できないときや、十分な話し合いに応じてもらえない場合は、外部の専門機関に相談してみてください。労働問題の相談先として、次のような窓口が挙げられます。

  • 労働基準監督署
  • 労働局の総合労働相談コーナー

こうした第三者機関が間に入ることで、状況整理や会社との調整を円滑に進めやすくなるはずです。また、第三者機関による調査の後、実態や必要に応じて助言・指導・勧告などが行われることもあります。

相談結果に納得できない場合は、最終手段として、労働審判や訴訟なども一つの方法です。法的な見解を求めたいときや、法的手段を検討しているときは、弁護士など法律の専門家や法テラス相談窓口です。

オンラインコミュニティで体験談を聞く

雇止めや解雇などのデリケートな問題は、身近な人には相談しづらいこともあるでしょう。問題を一人で抱え込んでいると自分を責めてしまったり、ストレスから体調不良につながったりする可能性もあります。人には話しづらい困りごとを抱え、一人で悩んでいるなら、オンラインコミュニティで同じような経験をしたことのある仲間に相談してみませんか。

仲間との交流の機会を持つことで「自分は一人ではない」と感じられ、孤独感や不安感が和らぐはずです。また、体験談を聞く中で、自分の状況を客観的に整理するヒントや、次のアクションの指針が見つかるかもしれません。

「雇止め・解雇の通知を受けたけど、辞めたくなくて困っている」「これから何をすれば良いか分からない」といった悩みを抱えている場合は、オンラインコミュニティのような匿名で気軽に相談できる場を活用してみてください。

障害者雇用の悩みを相談できる仲間を見つけるなら「あしたのあるきかた」

法律上、正当かつ合理的な理由のない雇止めや解雇は不当な行為です。原則として、雇止め・解雇は一定の条件を満たしているかどうかを慎重に判断し、所定のプロセスを経たうえで行われます。そのため、障害があることはもちろん、合理的配慮がないことを原因とする能力不足や些細なミス、ルール違反があったとしても、直ちに解雇になるわけではありません。同じく、会社側に退職を強要されている場合も、言われるがままに従う必要はなく、専門機関・窓口への相談が推奨されます。

とはいえ、雇止めや解雇が違法かどうかを判断するためには、法律の知識が求められ、自分だけで判断するのは難しいものです。何より、労働問題や退職トラブルに直面すると、不安な気持ちでいっぱいになってしまいますよね。

そんなときは、障害のある方が匿名・無料で参加できるキャリア共創コミュニティ「あしたのあるきかた」で、同じような境遇にある、もしくは経験のある仲間に話を聞いてみませんか。さまざまな意見や体験談を聞く中で、今の自分にとって最善の対処法や選択肢が見えてくるかもしれません。一人で悩まず、まずはお気軽にご登録ください。

非公開: 戸田 幸裕
監修者 パーソルダイバース株式会社 人材ソリューション本部 事業戦略部 ゼネラルマネジャー

戸田 幸裕

上智大学総合人間科学部社会学科卒業後、損害保険会社にて法人営業、官公庁向け営業に従事。2012年、インテリジェンス(現パーソルキャリア)へ入社し、障害者専門のキャリアアドバイザーとして求職者の転職・就職支援に携わったのち、パーソルチャレンジ(現パーソルダイバース)へ。2017年より法人営業部門のマネジャーとして約500社の採用支援に従事。その後インサイドセールス、障害のある新卒学生向けの就職支援の責任者を経て、2024年より現職。
【保有資格】国家資格キャリアコンサルタント、障害者職業生活相談員

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