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障害者雇用で精神障害3級はどう扱われる?就職のメリット・デメリットも解説 

​​精神障害者保健福祉手帳で精神障害3級に区分される方は、障害者雇用ではたらくことを選択できます。しかし、精神障害には、3級のほか、1級と2級が存在することから「等級によって何が違うのだろう」と気になっている方もいるのではないでしょうか。​ 

​​この記事では、障害者雇用において、精神障害3級に区分される方がどのように受け止められるのかをまとめました。求人面や就職にあたってのメリット・デメリットを踏まえ、一般枠と障害者雇用枠のどちらを選ぶかを考えていきましょう。​ 

障害者雇用における「精神障害3級」の基本的な考え方​

​​「精神障害3級」は、精神障害のある方が、​​障害者雇用ではたらくためのボーダーライン​​となる等級です。障害者手帳には1〜3級の3つの等級があり、中でも3級は、障害があることによる日常・社会生活への影響が最も小さいと​​されています。​

​​とはいえ、障害者雇用において、3級が1級・2級よりサポートや配慮が少なかったり、損をしたりするようなことはありません。そもそも、障害者手帳の等級は、あくまでも​​「どの程度の支障があるか」​​や​​「支援を必要とするかどうか」​​を判断するための指標です。就労においても、​​支援を必要とすることを客観的に証明する手段​​であり、はたらくうえでの待遇や条件に差をつけるためのものではありません。​

​​ただし、介護給付など、認定区分によって、​​支援の範囲や内容に違いが生じることはあります。​​また、一般的に、重度障害のある方は、就労にあたって受けられる合理的配慮の内容がより手厚くなります。​

​​しかし、等級が低いからといって、応募できる求人が限られたり、利用できる就労支援の種類が限られたり、求める配慮が受けられなくなったりするようなことはありません。障害者雇用枠の仕事に就職する場合を除き、手帳を持っていることを会社に申告する義務もなく、個人の自由に委ねられます。​​就労の可能性を増やす​​という意味で、精神障害者保健福祉手帳の取得を選択する方も多いです。​

3級相当の精神障害のある方が障害者雇用ではたらくメリット

​​精神障害者保健福祉手帳3級に相当する精神障害のある方が、障害者雇用ではたらく3つのメリットを紹介します。​ 

特性に合わせた合理的配慮が得られてはたらきやすくなる 

​​一般的に、3級に区分される精神障害のある方は、障害者雇用枠だけでなく、一般枠でもはたらけます。しかし、症状や程度が軽いからといって、障害のある方が周囲と同じ条件ではたらくのは公平とはいえません。はたらいているうちに、さまざまな困りごとが生じ、限界を感じる方もいるでしょう。また、現在すべての企業に合理的配慮の提供が義務づけられていますが、あくまで提供側の過重な負担にならない範囲であり、自分が希望するサポートを得られないこともあります。​ 

​​一方、障害者雇用なら、障害があることを前提として採用されます。事前に求める配慮事項を伝えておくことで、自分にとってはたらきやすい環境が整う可能性が高いです。​ 

専門的な転職・就職サポートが受けられる

​​障害者手帳を取得すれば、転職・就職活動の際に、専門的な支援が受けられるようになります。その代表例となるのが「ハローワークの障害者雇用窓口」「障害者就業・生活支援センター」「地域障害者職業センター」などです。こうした転職・就職支援サービスは、障害者手帳がなくても利用できる場合もありますが、手帳を持っていることで、より精度の高いサポートが受けられます。​

​​また「障害者雇用専門の転職・就職エージェント」など、障害者手帳を持っている方を対象とする就労支援サービスもあります。​​高精度なマッチングや、専任のキャリアアドバイザーによる伴走支援は、障害者雇用専門の転職・就職エージェントならではの強み​​です。障害開示と、合理的配慮を前提とした就活・就労支援が提供されるので、より自分に合った仕事が見つかりやすくなるでしょう。​

​​加えて​​、就労移行支援等の障害福祉サービスを通じて障害者雇用枠の仕事に転職・就職した後は「定着支援」が別途有料で利用できる場合があります。​​関係機関と連携しながら、安心してはたらける環境を整えるための手厚いサポートが得られるため、安定就労が実現しやすくなるでしょう。​

安定就労が実現しやすくなる

​​精神障害がある方にとって、障害者雇用枠の​​仕事に従事​​することは、長く安定してはたらき続けることを実現するための選択肢の一つです。​

​​一般枠における精神障害者の就職後1年間の定着率は、障害者雇用枠より低く、障害を開示したケースでは45.1%、非開示の場合は27.7%となっています。一方、障害者雇用枠ではたらく精神障害者の就職後1年間の定着率は64.2%です。非開示と比べ、障害開示や障害者雇用枠での定着率のほうが高い背景として、次の要因が挙げられます。​

  • ​​企業とのミスマッチの少なさ​ 
  • ​​個々の特性に合わせた合理的配慮の提供​ 
  • ​​職場でのポジティブなフィードバックやコミュニケーション​ 
  • ​​深い自己理解・自己受容による配慮事項の明確化やセルフケアの徹底​ 

​加えて、2024年4月から障害者雇用率の算定基準が改正され、週あたりの所定労働時間が20時間未満の方も、一部条件つきで算定できるようになりました。このように、障害のある方が、無理なくはたらき続けられる労働環境になるよう整備が進められています(出典:​精神障害者の就労における障害者枠と一般枠の違い|パーソル総合研究所​)。

精神障害3級で障害者雇用を選ぶデメリット

​基本的に、手帳を取得すること自体で不利益が生じるようなことはほとんどありません。しかし、人によっては、次のような点をデメリットに感じることもあるようです。​

選べる仕事の幅が狭まる可能性がある 

​​障害者雇用枠の仕事は、一般枠と比べ、求人数が少ない傾向にあります。厚生労働省の調べによると、2025年6月1日現在、民間企業における障害者の実雇用率は2.41%です。法定雇用率を達成している企業の割合は、46.0%でした(出典:​令和7年 障害者雇用状況の集計結果|厚生労働省​)。​ 

​​障害者雇用が推進されている一方で、安定して取り組めている企業は半数に達していません。これは、単に障害のある方が企業から歓迎されていないということではなく​​、会社側のノウハウやリソースの不足によるものです。合理的配慮の提供には、専門的な知識やコストが必要なので、​​中小企業を中心に、対応が難しいケースも珍しくありません。​ 

​​また、障害者雇用枠の仕事は、データ入力や生産ラインの軽作業、清掃などの定型業務が中心になりやすく、希望の職種が選べないこともあるようです。​

給与水準やキャリアアップの機会が限られることがある 

​​障害者雇用枠の給与水準は、一般枠と比べ低い傾向にあります。厚生労働省によると、2023年現在の精神障害者の平均月収は14万9,000円、発達障害者は13万円でした。身体障害者の平均月収が23万5,000円であることを踏まえると、精神障害のある方の給与が、低い水準に留まっていることが伺えます。​ 

​​さらに、パーソル研究所の調べでは、一般枠における精神障害者の年収は、年収500万円以上が全体の約15%を占めることが分かりました。パート・アルバイトとしてはたらく障害者も多いこともあり、年収200万円未満の層も約30%存在します。これは、一般枠ではたらく障害者は「安定収入を得ている層」と「低水準層」が二極化しており、高収入が見込める可能性もあることを示しています。​ 

​​対して、障害者雇用枠で最も多い給与水準は、年収200万~350万円の中間層です。年収500万円以上は、わずか3%程度に留まっています。手帳を持っていることで、税制面の優遇制度や各種サービスの割引・助成などが受けられるほか、障害年金などの給付制度が利用できるため、経済的な負担をカバーすることは可能ですが、給与自体は一般枠と比べ低水準です。​ 

​​また、障害者雇用枠は、業務・職責の範囲が限られることも多い分、成長やキャリアアップの機会も少ない傾向にあります。したがって「自分の頑張りを評価してほしい」「キャリアを積んでバリバリはたらきたい」と考えている方にとって、障害者雇用枠を選択することは、自己実現の可能性を遠ざけてしまうこともあるのです(出典:​令和5年度障害者雇用実態調査の結果を公表します|厚生労働省​、​精神障害者の就労における障害者枠と一般枠の違い|パーソル総合研究所​)。​ 

精神障害3級に区分される方は希望のキャリアに合わせて働き方を選ぼう!

​​精神障害3級は、障害者雇用枠と一般枠のどちらでもはたらけます。手厚い合理的配慮の必要性や現在の体調、自分の目指すキャリアなどを踏まえ、​​自分に合った働き方​​を考えてみてください。​ 

​​個々の特性に合わせた配慮やサポートを得ながら、無理なく、安定してはたらき続けたいなら、​​障害者雇用​​が有力な選択肢となります。障害者雇用枠の仕事を選ぶかどうか迷ったときは、当事者や経験者の体験談を聞いてみてはいかがでしょうか。​ 

​​障害のある方が匿名・無料で参加できるキャリア共創コミュニティ「あしたのあるきかた」では、あなたと同じような境遇の仲間が集まっています。仲間と一緒に、新たな一歩を踏み出すきっかけをつかみませんか。この機会に、ぜひお気軽にご登録ください。​ 

非公開: 戸田 幸裕
監修者 パーソルダイバース株式会社 人材ソリューション本部 事業戦略部 ゼネラルマネジャー

戸田 幸裕

上智大学総合人間科学部社会学科卒業後、損害保険会社にて法人営業、官公庁向け営業に従事。2012年、インテリジェンス(現パーソルキャリア)へ入社し、障害者専門のキャリアアドバイザーとして求職者の転職・就職支援に携わったのち、パーソルチャレンジ(現パーソルダイバース)へ。2017年より法人営業部門のマネジャーとして約500社の採用支援に従事。その後インサイドセールス、障害のある新卒学生向けの就職支援の責任者を経て、2024年より現職。
【保有資格】国家資格キャリアコンサルタント、障害者職業生活相談員

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