障害者のためのキャリア共創コミュニティ
アカウント登録 ログイン
キャリアのヒント

未来のじぶんに、ちょっと先の気づきを
自分らしい働き方を見つけるためのコラム

HOMEキャリアのヒント, , クローズ就労はバレる?会社に知られるリスク・原因と開示範囲に悩んだときの相談窓口

クローズ就労はバレる?会社に知られるリスク・原因と開示範囲に悩んだときの相談窓口

障害のある方の中には、障害者であることを非開示にしてはたらく、いわゆる「クローズ就労」を希望する方もいます。自分に障害があることを職場や周囲には伝えずにはたらきたいけれど、そんなことができるのかどうか不安に思っている方もいるのではないでしょうか。

この記事では、クローズ就労がバレる可能性や、バレてしまったときに生じるリスクなどを解説します。クローズ就労以外の働き方も紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。

クローズ就労が自然にバレることはほとんどない

原則として、障害開示は任意であり、多くの場合、クローズ就労していることが周囲に自然に伝わってしまう心配はありません。法律上、障害があることを伝えないままはたらくことに問題はなく、障害のある方にとって、クローズ就労は働き方の選択肢の一つです。

加えて、プライバシー保護の観点から、本人が自ら話さない限り、第三者が障害の有無を無断で会社に伝えることは禁止されています。そのため、クローズ就労はもちろん、障害者手帳を持っていることが周囲に伝わることはなく、会社が独自に調べる手段も存在しません。

ただ、業務上で知り得た情報から、障害があることが推測されてしまうことはあり得ます。また、違法性はないとしても、もし就労中に障害があることがバレてしまった場合、思わぬトラブルに発展する可能性もあるので注意しなければなりません。

クローズ就労がバレたときに起こり得るトラブル

次に、もしクローズ就労であることがバレてしまったらどのようなリスクがあるのか確認しましょう。

職場の信頼関係の悪化を招く

障害を開示せずに採用され、後から判明すると「なぜ事前に共有してくれなかったのか」と周囲が不信感を募らせてしまう結果になるかもしれません。特に、度重なる体調不良・通院などによる欠勤や、パフォーマンスの低下により障害があると発覚した場合、上司や同僚などとの人間関係の悪化が懸念されます。結果として、心理的な距離感や負担が増大し、職場に居づらくなってしまうこともあるようです。

仕事の評価や解雇の判断材料にされることがある

業務を遂行するにあたって、障害があることが支障になると見なされる場合、クローズ就労がバレると問題になることがあります。労働契約法には、労働契約の原則として「信義誠実(信義則)」という概念が定められているからです。

これは、簡単にいうと「社会の構成員として、互いの信頼を裏切らず、誠実に行動すべきである」という考え方を指します(出典:労働契約法 第3条4項|e-Gov法令検索)。業務に大きな影響を与える可能性が高いにもかかわらず、障害を開示していないと、会社との信頼関係を損なう行為だと判断されてしまうかもしれません。

また、障害があること自体は問題なくとも、信頼関係が失われてしまった結果、人事や配置転換などの際、評価に差し障るリスクが生じることも考えられます。

質問されたのに意図的に隠すと虚偽申告・詐称だと見なされる可能性がある

クローズ就労自体は違法ではありませんが、採用時に企業側から健康状態や就労制限に関する質問があり、それが業務上確認が必要だった場合、障害を非開示にするのは避けましょう。後になってバレると、「虚偽申告をした」「重要事項を詐称した」などと見なされることがあるからです。

特に、職務上の欠格条項に該当したり、就業規則で虚偽申告を禁止する旨が定められていたりするときは、隠していたことが大きな問題になってしまいます。また、障害の有無や特性を事前に伝える義務はないものの、業務に直接関係ある質問に対して虚偽の申告をすると、詐称だと見なされ、法的・社会的な責任を問われる可能性もあります。

クローズ就労がバレるリスクのある5つの行為

クローズ就労をしていると、自分から伝えなくても、意図せず取ったちょっとした行動で障害者であるとバレてしまうことがあります。ここでは、障害があることがバレてしまいやすい、代表的な5つの行為を見ていきましょう。

会社で年末調整を受ける

障害者手帳を取得している方は、年末調整や確定申告で「障害者控除」が受けられます。これは、所得から区分に応じた一定額を控除し、所得税・住民税の負担を軽減する制度です。

障害者控除を年末調整で受けようとすると、必ずその旨と、当事者の氏名を用紙に記入することになるため、確認を受けるときに担当者に伝わってしまいます。障害者控除を受けることを会社に知られたくないときは、自分で確定申告するか、年末調整後に還付申告を行うとよいでしょう。

控除後の住民税を源泉徴収にしている

障害の有無は、住民税の金額から推測されてしまうことがあります。自分で確定申告を行ったとしても、控除後の住民税額が同じような条件の一般的な金額より少ない場合、障害者控除を受けていることが疑われてしまう可能性があるからです。住民税の納付方法を源泉徴収にすると、決定通知書が会社に送られるので、バレたくないときは「普通徴収(自分で納付する)」を選ぶことをおすすめします。

健康診断などで通院歴・服薬状況を共有する

会社の健康診断や健康保険への加入手続き、産業医への相談などの際、自分の通院歴や服薬状況を共有する中で、障害があることが伝わるケースがあります。法律上、会社には従業員の健康管理を行う義務があり、就業の可否や就労上の制限、安全上の重大なリスクがある場合など、何らかの措置や配慮が必要なときは、その旨が共有されることがあるからです。

医師には守秘義務も課せられており、安全衛生義務があるからといって、すべての情報がむやみに共有されるというわけではないものの、検査結果や、仕事への影響の度合いによっては報告されることがあります。情報共有の有無や範囲は、医師や企業の判断にもよりますが、障害非開示ではたらきたいと考えているなら、問診・問診票などでの自己申告は避けるほうがよいでしょう。

仕事関係の人に障害があることを話す

意外に多いのが、職場の人や取引先、顧客などに、本人が障害について話してしまうケースです。日常業務でのやり取りや、交流を深める中で、プライベートなことをつい話してしまうのはよくあることだと思います。しかし、親しいごく一部の人にしか話していなくても、それがいつの間にか広がってしまい、会社の知るところになることもあり得ます。障害を誰にも開示せずにはたらきたいと考えているなら、職場の人はもちろん、仕事の関係者には社内外問わず話さないよう徹底することが重要です。

傷病手当金を請求する

もし障害の症状が悪化し、休職して傷病手当金を請求する場合、その申請プロセスで障害者であると伝わってしまうことが考えられます。傷病手当金の申請書には、自分が雇用されている事業主の証明を受ける欄があり、確認の際に本人記入欄や医師記入欄が担当者の目に入ってしまう可能性があるからです。休職の原因が障害だった場合、その旨が把握されてしまうかもしれません。また、申請書には「障害年金の受給確認」欄があり、その記載内容によってバレることもあり得ます。

制度上、会社が病名・障害名を確認する必要はないものの、書類の形式上、本人記入欄や医師記入欄を完全に隠すのは困難です。会社にバレたくないときの対策としては、その旨を主治医に相談し、申請に必要な範囲内での表現にするよう配慮を求めることなどが挙げられます。

障害がある方が選べるクローズ就労以外の働き方は?

障害がある方の働き方には、クローズ就労のほかにも、障害があることを開示してはたらく「オープン就労」と、その中間的な選択肢である「セミオープン就労」があります。以下では、それぞれどのような働き方なのかを解説します。

障害があることを開示してはたらく「オープン就労」

「オープン就労」とは、自分が障害者であることを職場に開示する働き方を指します。はたらくうえでの身体的な負担や、隠していることがバレるかもしれないという心理的な負担を減らし、自分らしくはたらきやすくなる選択肢です。

例えば、自分に障害があることや、どのような特性があるのかを開示すれば、より良くはたらくために必要な配慮事項の明確な根拠になり、適切に提供される可能性が高まります。また、特性や通院の有無をあらかじめ共有しておくことで、定期的な通院や、急な体調不良による欠勤・休暇の際にも理解してもらいやすくなるでしょう。

加えて、障害を開示してはたらく場合は「ハローワークの障害者窓口」「障害者就業・生活支援センター」「地域障害者職業センター」「就労移行支援事業所」などの支援機関と企業の連携がよりスムーズになることもメリットです。環境整備やトラブル対応などが専門的な視点から行われるようになり、無理なくはたらけるよう配慮してもらいやすくなります。

障害開示の範囲を選ぶ「セミオープン就労」

「セミオープン就労」とは、障害開示の範囲を企業と当事者が話し合って決める働き方です。障害があることを完全に開示するわけでもなく、非開示にするわけでもない、中間的な選択肢となります。主に、一般枠ではたらきながら、最低限の合理的配慮が得られる環境で仕事を頑張りたいという方に適した開示方法です。

セミオープン就労の進め方として、具体的には次のような方法が挙げられます。

  • 直属の上司・人事担当者のみに障害があることを開示する
  • 同じチームメンバーのみに障害があることを開示する
  • 障害名は非開示のまま、配慮事項のみ伝える
  • 開示範囲を段階的に広げていく

セミオープン就労のメリットは、職場全体に障害を開示するという心理的な負担を避けつつ、必要な配慮が受けられることです。

ただ、セミオープン就労は比較的新しい概念であり、取り組んでいる企業はまだ多くありません。そのため、現状では必ずしも本人の意向が汲んでもらえるとは限らず、あくまでも企業との協議のうえで提供されるかどうかが決まるケースが大半です。また、障害があることを伝えられていない層から、あらぬ誤解や偏見を受ける可能性があるというリスクも存在します。

いずれにせよ、セミオープン就労は会社・本人双方の合意が前提となるため、希望する場合はまず職場の上司や人事部へ相談してみるとよいでしょう。

障害のある方が職場に障害を開示するかどうか悩んだときは?

自分に障害があることを開示するか、非開示にするか迷ったときに実践してほしい「3つのこと」を紹介します。

専門の医師・カウンセラーにアドバイスを仰ぐ

自分の障害を専門とする医師やカウンセラーに相談すれば、医学的な観点から、自分に適した働き方を提案してもらえます。就労の可否や配慮の必要性など、はたらくうえでの専門的なアドバイスを受けることで、自分が納得できる働き方が見えてくるかもしれません。

公的な障害者支援の窓口に相談する

公的な障害者支援機関では、障害がある方の仕事や働き方に関する悩みの相談を受け付けています。具体的には「ハローワークの障害者窓口」「障害者就業・生活支援センター」「地域障害者職業センター」「精神保健福祉センター」などが、障害がある方の就労に関する相談窓口です。個々の障害特性を踏まえ、自分に合った働き方や、困りごとが生じた際の対処法をアドバイスしてもらえるので、気軽に相談してみるとよいでしょう。

障害者が集うオンラインコミュニティを活用する

障害に関する悩みを抱えていても、誰にも相談できなかったり、なかなか判断がつかなかったりして困っているときは、障害のある方のためのオンラインコミュニティを利用してみませんか。さまざまな障害のある方が集い、気持ちや悩みを共有したり、一緒に解決策を探ったりしています。利用者に聞いた体験談や経験から、自分にとってより良い働き方を見つけるヒントが得られるかもしれません。匿名で相談できるオンラインコミュニティも多く、いきなり対面で相談するのは抵抗のある方でも利用しやすいはずです。

障害開示の範囲に迷ったら「あしたのあるきかた」で相談を!

障害があることを開示せずにはたらく、いわゆる「クローズ就労」は、障害のある方が選べる働き方の一つです。自分から伝えない限り、クローズ就労をしていることが自然にバレる心配は基本的にありません。ただし、会話する中でうっかり話してしまったり、障害関連の書類を通して気づかれたりすることがあるので、些細な言動に注意する必要があります。

クローズ就労を選択すれば、給与・勤務体系といった待遇や、業務内容・業務量・配置などがすべて周囲と同じ条件となり、仕事探しやキャリアアップの選択肢が広がります。ただし、合理的配慮は障害開示が前提となるため、障害があることを非開示にする以上、個々の特性に応じたサポートが提供されることはありません。開示・非開示それぞれのメリット・デメリットを踏まえ、自分が納得のいく働き方を選択することが大切です。

障害があり、今後の働き方に悩んでいるなら、障害のある方が匿名・無料で参加できるキャリア共創コミュニティ「あしたのあるきかた」で仲間とつながってみませんか。同じ境遇にある方と気持ちを共有しあったり、かつて似たような悩みを抱えていた方の体験談を聞いてみたりする中で、自分にとって最善の働き方が見つかるかもしれません。

あなたらしいキャリアを考える第一歩を、ここから踏み出しましょう。

非公開: 戸田 幸裕
監修者 パーソルダイバース株式会社 人材ソリューション本部 事業戦略部 ゼネラルマネジャー

戸田 幸裕

上智大学総合人間科学部社会学科卒業後、損害保険会社にて法人営業、官公庁向け営業に従事。2012年、インテリジェンス(現パーソルキャリア)へ入社し、障害者専門のキャリアアドバイザーとして求職者の転職・就職支援に携わったのち、パーソルチャレンジ(現パーソルダイバース)へ。2017年より法人営業部門のマネジャーとして約500社の採用支援に従事。その後インサイドセールス、障害のある新卒学生向けの就職支援の責任者を経て、2024年より現職。
【保有資格】国家資格キャリアコンサルタント、障害者職業生活相談員

記事をシェアする

障害者雇用に関心のある方や実際に働いている方が、
相談や情報交換を通じて、より良い雇用を目指す交流の場。
「あしたのあるきかた」

ページのTOPへ戻る
HOMEキャリアのヒント, , クローズ就労はバレる?会社に知られるリスク・原因と開示範囲に悩んだときの相談窓口