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「困ったらすぐ相談して」って言われたのに… 言葉どおりに受け取ってしまう発達特性のはなし

30代 発達障害(ASD、ADHD)

発達障害による言葉を額面どおりに受け止めやすい特性。

「どうするのが正解なの?」と、悩んでしまった経験はありませんか?

頼まれた仕事を始めて1週間後、あゆみさんは上司に「あの…これまだココまでしかできていないんですけど…」と報告する。上司は「え?なんでもっと早く言ってこないの?とにかく、これからは少しでも困ったらすぐに知らせて」と注意し、あゆみさんは黙って考え込む。翌日、言われたとおりに「あの、ココなんですけど、よく解らなくて…」と相談すると、上司は「え?こんなこと、少しは自分で考えてよ。ちょっと調べれば分かるでしょ」と返す。あゆみさんは「困ったら何でも直ぐに相談しろっていったのに。どうするのが正解なの?」と悩んでしまう。子どもの頃にも、母親に「郵便受けを見てきてね」と頼まれて見に行き、「見たよ」と伝えると「え、新聞持ってきてよ。なんで手ぶら?」と驚かれたことがあった。言葉を額面どおりに受け止めやすいASDの特性によって、相手の本当の意図とすれ違ってしまう様子を描いている。
ワンポイントアドバイス

「その都度相談」より「定期的にまとめて共有」 報連相をラクにする工夫

発達特性(ASD)のある方の中には、言葉をそのままの意味で受け取りやすい、という特徴が見られることがあります。これは、「言葉の裏にある意図や、行間にある意味を読み取ることが少し難しい」という傾向です。

たとえば、子どものころに
「郵便受けを見てきてね」と言われて見に行き、「見てきたよ」と伝えたら、
「新聞を持ってきてほしかったのに」と言われて戸惑った――そのような経験がある方もいるかもしれません。

このように、曖昧な表現や婉曲的な言い方の中にある意図をくみ取ることが難しいと、 相手の期待と自分の受け取り方にズレが生じてしまうことがあります。

職場で求められる「報連相(報告・連絡・相談)」では、その出来事の重要度や緊急性、影響の広さ、上司の関心の高さなどを、ある程度まとめて、瞬時に判断することが求められますが、発達障害特性のある人は情報を一つひとつ整理しながら丁寧に考えることが得意な反面、その場で直感的に優先順位を判断することに難しさを感じることもあります。

そのため、「困ったらその都度相談する」というやり方よりも、あらかじめ短い時間でも定期的に上司とミーティングの時間を決めておき、「その場でまとめて情報共有する」といった形のほうが、安心して取り組みやすくなることがあります。

原作者 メンタルサポート&コンサル沖縄 代表

佐藤 恵美 

精神保健福祉士・公認心理師・キャリアコンサルタント・臨床発達心理士

北里大学院にて医科学修士取得。精神科病院や都内クリニック副院長を経て、 2020年「メンタルサポート&コンサル沖縄」を設立。企業・公的機関での労働者カウンセリングや職場研修のほか、 キャリアコンサルタント養成にも注力。日本産業精神保健学会理事。著書に『もし部下が発達障害だったら』、『部下の発達特性を活かすマネジメント』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『職場の同僚のフォローに疲れたら読む本』 (PHP研究所) など多数。 

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