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切り替えが苦手なのはなぜ? 発達特性と「注意のコントロール」のはなし

30代 発達障害(ASD、ADHD)

ひとつのことに集中しているときに、急に話しかけられても、なかなかそちらに頭を切り替えられず、とてもストレスを感じてしまうことはありませんか?

今回は、発達特性の「注意のコントロールがうまくできない」お話です。

あゆみさんが「よし、この調子で進めよう」と、集中してパソコンで作業に取り組んでいる。そこへ同僚の女性が「ねえ、あゆみさん。先日の会議の○○の案件だけど、△の資料もつけた方が良いと思うけど、どう?」と急に話しかける。作業に没頭していたあゆみさんは突然のことに「…え?え??」と戸惑い、頭の中が混乱してしまう。同僚が「△の資料だったら、あゆみさんにお願いできないかなと思って」と続けても、「えっ?」「なに?」「何の資料?」と状況がうまくつかめず、ついに「分かりません!」と声をあげてしまう。同僚は「もういいよ!」とあきれた様子で去っていき、あゆみさんは「えっと、何してたっけ…あれ?どこまで進んでたかな…」と、それまでの作業の流れも見失ってしまう。急に話しかけられて注意の切り替えがうまくできず、ちょっとしたパニックに陥ってしまう様子を描いている。
ワンポイントアドバイス

切り替えに時間がかかるのは、やる気の問題じゃない――“気持ちの切り替え”の困難さ

人によっては、注意を切り替えたり、いくつかのことに配分したりすることが少し難しい(注意のコントロールの特性)と感じることがあります。
たとえば、周囲の音や人の気配に気を取られやすいこともあれば、逆にひとつのことに深く集中して、まわりに気づきにくくなる(過集中)もあります。
そして、何かに集中しているときに、急に話しかけられたり電話が鳴ったりすると、注意をそちらに切り替えてスムーズに考えることが難しい場合があります。
その結果、頭の中が混乱してしまい、言葉が出てこなくなったり、とっさに強い言い方で反応してしまうこともあります。これは、やる気や態度の問題ではなく、注意の切り替えに時間が必要な特性によるものです。
さらに、無理に別のことへ注意を向けると、もとの作業に戻ったときに続きが思い出しにくくなり、作業が進みにくくなることもあります。
そのため、頻繁に中断が入る環境では、本来の力を発揮しにくくなり、結果として作業効率が下がってしまうことがあります。

原作者 メンタルサポート&コンサル沖縄 代表

佐藤 恵美 

精神保健福祉士・公認心理師・キャリアコンサルタント・臨床発達心理士

北里大学院にて医科学修士取得。精神科病院や都内クリニック副院長を経て、 2020年「メンタルサポート&コンサル沖縄」を設立。企業・公的機関での労働者カウンセリングや職場研修のほか、 キャリアコンサルタント養成にも注力。日本産業精神保健学会理事。著書に『もし部下が発達障害だったら』、『部下の発達特性を活かすマネジメント』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『職場の同僚のフォローに疲れたら読む本』 (PHP研究所) など多数。 

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