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障害者雇用の志望動機は何を書く?熱意が伝わる書き方・伝え方を例文付きで解説

転職・就職活動において、書類選考や面接で通過率を左右するポイントとなるのが「志望動機」です。しかし、いざ考えてみても良い案が思いつかず、何をどのように伝えれば良いか悩んでいませんか。 この記事では、障害者雇用における志望動機の書き方や伝え方を、例文つきで分かりやすく解説します。

障害者雇用の志望動機の基本構成

志望動機で伝えたい内容は、主に以下の2点です。

  • その会社に応募した理由
  • 入社後どのように貢献できるか

一般的に、面接官は「なぜその会社を選んだのか」を知ることで、自社と応募者のマッチングを見極めています。企業理念や経営方針、社風、業種・職種と相性の良い応募者を採用し、長く安定してはたらき続けることを期待しているからです。

また、志望動機を通し、その応募者を採用することで「自社にどのように貢献できるのか」も知りたいと考えています。そのため、会社の求める人材であることをアピールできれば、書類選考や面接に通過できる可能性が高まるでしょう。

障害者雇用の志望動機を考える2つの軸

次に、障害者雇用の求人の志望動機を考える軸となる2つのポイントを見ていきましょう。

これまでの職歴・経歴や習得したスキル

志望動機を伝える際、説得力のある根拠となり、企業が自社とのマッチングを見極める材料にもなるのが、自分のこれまでの「職歴・経歴」や「習得済みのスキル」です。応募先の業種・職種や魅力を感じた点と、自分にできることを絡めて伝えることで、具体的にどのような形で貢献できるのかをイメージしてもらいやすくなります。

応募する業種・職種に関連する資格や経験があれば、積極的にアピールしましょう。もし関連するスキル・実績がなくても、これから習得する意欲を伝えれば、やる気や熱意が評価される可能性があります。

障害特性と求める配慮事項

職歴・経歴やスキルと同じくらい重要なポイントとなるのが「就労にあたって必要な配慮事項」です。障害のある方は、それぞれの特性に応じ、苦手なことや難しいこと、配慮してほしいことがあるでしょう。合理的配慮の提供は、すべての企業に課せられた義務であり、必要な配慮事項を求めることはわがままや甘え、特別扱いなどではありません。障害のある方本人と会社・職場が互いにより良くはたらくための措置であり、事前に明確化しておくことでミスマッチによるトラブルを防ぐことにつながります。

ただし、配慮事項は伝え方が肝心です。「やってもらって当たり前」といった態度や表現ではなく「このような配慮があればより高いパフォーマンスを発揮できる」というように、より良くはたらくための前向きな提案として伝えましょう。

なお、障害特性に関する項目が存在しない履歴書も多いことから、志望動機や自己PRと併せて伝えるのが一般的です。また、合理的配慮の提供は、あくまでも企業・職場の過重な負担にならない範囲とされているため、求めた配慮に必ずしも応えてもらえるとは限りません。就職後に「こんなはずでは……」とならないためにも、応募書類や面接で、あらかじめ配慮事項を共有しておくことをおすすめします。

障害者雇用の志望動機を考える前にやっておきたいタスク

続いて、障害者雇用の志望動機を考えるにあたって、事前にやっておきたい2つのタスクを紹介します。

自己分析と障害理解

就活の軸となるのが「自己分析」です。自己分析を深めることで、自分の強みや仕事の適性を知るヒントが得られるほか、志望動機や自己PRの根拠も見えてきます。 特に、障害者雇用では、これまでの経歴や持っているスキル、得意・不得意を明らかにするだけでなく、自分の障害特性への理解を深めることも重要です。はたらくうえで必要な配慮事項を整理することにもつながり、入社後のミスマッチを防げます。

企業・業界研究

自己分析の次に取り掛かりたいのが「企業研究」です。企業・職種との相性を見極め、ミスマッチを防ぐためのプロセスとなります。

同じ業種・職種でも、方針や待遇、障害者雇用に対する実績・理解度は会社によってさまざまです。気になる企業を複数ピックアップして比較し、自分のやりたいことや強みを活かせる会社、はたらきやすい環境の整った職場を探してみてください。 気になる企業がまだ見つからないときは、業界研究から始め、自己分析の結果とも照らし合わせて絞り込んでいくとよいでしょう。

【シーン別】障害者雇用の志望動機の書き方と例文

ここでは、障害者雇用における志望動機の具体的な書き方を例文付きで紹介します。

中途採用・転職

一般的に、中途採用や転職では「即戦力になれるかどうか」が重視されます。そのため、志望動機で、これまでの経験や実績を入社後にどう活かせるかをアピールすることがポイントです。

例えば「◯◯という仕事に◯年間従事し、◯◯◯という成果を上げた」というように、これまでの職歴と実績を具体的に伝えることで、入社後に貢献する姿をイメージしてもらいやすくなります。さらに、専門用語を無理のない範囲で盛り込むことで、専門性の高さを伝えられるでしょう。
【例文】

前職で5年間、アパレルショップの販売スタッフとして勤務し、接客や商品の陳列、在庫管理を担当してきました。
売上目標を達成できるよう、お客さまのご要望を丁寧に伺い、一人ひとりに合った商品の提案や、追加購入につながる接客を心がけてきました。
双極性障害があり、現在は寛解していますが、再発・悪化を防ぐため、十分な休養と定期的な通院を欠かさないよう主治医に言われています。そのため、障害者雇用の実績が豊富で理解が深く、定例面談で業務の進捗や体調の変化について相談しやすい体制が整っている貴社でぜひはたらきたいと考え応募しました。
貴社に入社した後入社後は、これまで培った接客力や、周囲と連携しながら業務を進める力を活かして貢献したいと考えています。

新卒採用

新卒採用では、経験がないことが前提となっているため、実績やスキルの高さを無理にアピールする必要はありません。それよりも、はたらくことに対する姿勢や想い、成長意欲が重視されます。

学生時代に力を入れたことや学んだこと(ガクチカ)を中心に、入社後に挑戦したいことや意欲を伝えましょう。

【例文】

学生時代は、ゼミ活動で地域商店街の活性化をテーマとした企画に取り組み、利用者アンケートの集計やプレゼン資料の作成を担当しました。
期限を守って作業を進めることや、メンバーと役割分担しながら協力することの大切さを学びました。
貴社への入社後も、一つひとつの業務を丁寧に覚え、周囲と協力しながら成長していきたいと考えています。
発達障害(ASD)があり、特性上、業務手順を事前に文書でも共有していただければより正確に業務に取り組めます。

未経験の職種へのチャレンジ

多くの場合、未経験だからという理由だけで、必ずしも不利になるとは限りません。これまで培ったスキルや経験から、応募した会社・職種で活かせる強みを探し、それをアピールしましょう。併せて、これから学ぶ意欲や姿勢を伝えるのも効果的です。

【例文】

前職では、工場の製造ライン作業に従事していました。ライン全体の円滑な流れを妨げることがないよう、前後の担当者とのチームワークやコミュニケーションも意識しつつ、組み立てや加工、検品などの業務にあたってきました。
以前から事務職に興味があり、現在はWordやExcelの学習を進めています。
未経験ではありますが、新しい知識を積極的に吸収し、早期に戦力となれるよう努力したいです。
聴覚障害があり、正確に業務を進めるため、口頭だけでなく、チャットやメールでも情報共有していただける環境であれば、より正確かつ円滑に業務へ取り組めます。

ブランクからの再就職

前職の退職後、ブランクがある場合は、まず休職や療養の事実と併せて、現在は安定して就労できる状態だと伝えることが重要です。症状の再発・悪化を防ぐとともに、復職の準備・訓練を行う「デイケア」や「リワーク」を利用した経験など、客観的な根拠を示せると、安定就労が可能な状態にあることを証明しやすくなります。

また、ブランク期間中に資格取得やスキルアップ、生活リズムの改善などに取り組んでいたなら、就労に向けて前向きに準備してきたことが伝わるよう、具体的なエピソードを交えて説明するとよいでしょう。

【例文】

うつ病を患い、体調を整えるため一定期間療養していました。
現在は、体調や生活リズムも安定し、継続して就労できる状態です。
休職・療養期間中は、リワークに約6ヶ月通って主にパソコン操作の学習に取り組み、MOS資格とITパスポートを取得しました。
入社後は、身につけたスキルや知識を活かし、貴社に貢献したいと考えています。
精神障害の特性上、定期的に業務量を確認・相談できる機会を設けていただけると、体調を維持しながら安定して勤務できます。

就労移行支援事業所への通所後

就労移行支援事業所に通所している方は、ビジネスマナー・スキルの習得だけでなく、生活リズムの安定や体調管理、コミュニケーションの訓練などを併せて行っている方も多いでしょう。そのため、通所中に身につけたことや、継続して取り組めた経験を伝え、職業準備性(就労への準備が整っていること)の高さをアピールするとよいでしょう。

【例文】

就労移行支援事業所に1年3ヶ月通所し、ビジネスマナーやパソコン操作に加え、生活リズムの安定や体調管理に取り組んできました。
実習では、模擬オフィスでデータ入力や書類整理を担当し、報告・連絡・相談を意識しながら、はたらく基礎を身につけました。
貴社への入社後も、学ぶ姿勢を忘れず、周囲と協力しながら貢献したいです。
発達障害(ADHD)の特性により、特定の作業に集中しやすいため、タイマーやアラーム、タスク管理ツールを活用できれば、優先順位を整理しながら安定して業務へ取り組めます。
また、優先順位の判断が難しいことがあるため、あらかじめマニュアルや手順を共有していただければ安定して実力を発揮できます。

書面・口頭でこんなに違う!志望動機のより良い伝え方

志望動機は、書面(履歴書)と口頭(面接)で適切な伝え方が変わることをご存じですか。以下では、それぞれのケースにおける志望動機のより良い伝え方とはどのようなものか見ていきましょう。

履歴書の場合

履歴書では、記載できる内容に限りがあるため、伝えたいことをコンパクトにまとめることが大切です。文字数制限がある場合はそれ以内に収め、特に指定がない場合は400文字以内を目安にするとよいでしょう。

また、履歴書は読みやすさも重要です。文章が長くなりすぎる場合は一文を短く区切り、結論から記載することで内容が伝わりやすくなります。加えて、誤字・脱字や、記載漏れ・ミスがないかどうかも、提出前に必ず確認してください。

採用面接の場合

採用面接は、応募書類より多くの情報を伝えられる絶好の機会です。とはいえ、制限なく話せるわけではないので、最長3分以内を目安に、伝えたいことをまとめておきましょう。

また、採用面接では、応募書類の記載内容が前提となります。応募書類と面接での受け答えにズレがあると、一貫性がないと評価され、マイナスの印象を与えてしまいかねません。応募書類に書き切れなかったことを補足する形で、整合性を保ちながら、話を展開していくよう心がけてください。

加えて、採用面接の際は、話し方や態度・身だしなみもチェックされます。以下を参考に、面接を受ける準備と心構えをしておきましょう。

チェックポイント注意点
話し方・背筋を伸ばし、面接官の方を向く
・大きすぎず小さすぎず、面接官と同じくらいの音量を心がける
・早口になりすぎないよう、ややゆっくり目に話す
態度・身だしなみ・TPOに合った清潔感のある装いを心がける(迷ったときは落ち着いた色のスーツを選ぶとよい)
・ポジティブな表現を使う
・ハキハキと明るく受け答えする
・嘘をついたりごまかしたりせず、誠実に対応する

なお、本番で話す内容を想定して面接対策をしていると、暗記した文章をそのまま読み上げるような話し方になってしまうことがよくあります。採用面接は「面接官との対話」であることを意識し、質問の内容に応じて、自分の言葉で伝えるようにしてください。 また、書き言葉と話し言葉では表現が違うことがある点にも注意が必要です。例えば、書面では応募先の企業のことを「貴社」といいますが、口頭では「御社」と表します。多少言い回しが変わっても問題ないので、要点を整理し、自然に話せるよう練習しておくとよいでしょう。

志望動機の説得力をぐっと高めるコツ

ここからは、障害者雇用の志望動機の説得力を高めるために意識したい3つのポイントを紹介します。

伝える内容の具体性を高める

志望動機に説得力を持たせるには「具体性」が求められます。単に「頑張る」「一生懸命やる」といったことや、どの会社・職種にも当てはまるような内容では、熱意ややる気は伝わったとしても、会社にどのように貢献できるかが不明瞭なままです。

同じく、参考書やインターネットで紹介されている例文をそのまま伝えるのも、説得力に乏しくなってしまいます。「◯年」といった数字や、オリジナルのエピソードを盛り込んで、話の具体性を高めましょう。

結論から先に述べる

限られたスペースや時間の中で、志望動機をより分かりやすく伝えるために有効なテクニックとなるのが「結論から先に述べる」ことです。最終的に伝えたいことが何か分からないまま話し始めると、説明が冗長になってしまいやすく、回りくどい印象を与えてしまいかねません。

先に結論を伝え、それに至った経緯や背景を説明するというように話を広げていくことで、話に説得力が生まれ、簡潔かつ魅力的な志望動機にまとまりやすくなります。

自分にとっての「はたらきやすさ」だけを理由にしない

志望動機を聞かれた際、自分にとってはたらきやすい環境が整っていることだけを理由にするのは避けましょう。はたらきやすい環境や、合理的配慮の提供体制があることを志望動機の一つにするのは構いませんが、そればかりを強調すると、仕事や就労に対する熱意ややる気が伝わらない可能性があるからです。

会社に貢献できることをアピールしたうえで、あくまでも「より高いパフォーマンスを発揮するための追加情報」としてはたらきやすさを挙げることで、説得力のある志望動機になります。

障害者雇用の志望動機に関してよくある疑問・質問

障害者雇用の志望動機に関してよくある疑問・質問を集めました。

応募書類や面接で志望動機のほかに聞かれることは?

障害者雇用の就職活動の際、よく聞かれる項目は以下の3つです。

  • 自己紹介(長所・短所など)
  • 前職の退職理由
  • 障害に関すること

これらは、主に応募者の人となりや会社・職場とのマッチングを見極めるための質問です。マイナスな印象を与えそうなことであっても、ごまかしたり取り繕ったりせず、ポジティブな表現に置き換えて説明すれば、自分の魅力を伝えられます。

そのほか、採用面接では「何か聞きたいことはありますか?」というように「逆質問」が行われることも多い傾向にあります。逆質問は、やる気や熱意を伝えるチャンスです。自己紹介や自己PR、志望動機などで伝え切れなかったことや、会社への貢献・努力する意思が伝わるような質問を投げかけることで、印象アップが狙えます。

事務職の志望動機が思いつかない…どうする?

一般的に、事務職は職場や専門分野などによって求められるスキルが多岐に渡る分、志望動機を考えるのが難しいと感じる方も多いかもしれません。事務職の志望動機として何を伝えるか迷ったときは、応募する求人の業務内容に合わせて内容を変えることが基本です。 例えば、経験者の場合は、どのような業務に何年間従事したのかなどを伝えることで、採用後のことを具体的にイメージしてもらいやすくなります。対して、未経験の場合は、業務内容に活かせる資格・スキルがあれば、それをアピールするとよいでしょう。

【例文】

前職では、営業事務として3年間勤務し、受発注データの入力や請求書の作成、電話・メール対応などを担当していました。
正確性を意識して業務を進め、入力ミスを防ぐためのチェックリストを作成するなど、業務改善にも取り組みました。
貴社でも、これまで培った事務処理能力やパソコン操作スキルを活かし、正確で効率的な業務を通じて貢献したいと考えています。
右腕に障害があるため、片手入力用の補助ツールや音声入力ソフトをご用意いただけると、より安定して業務へ取り組めます。

採用面接で志望動機を聞かれないことがあるって本当?

採用面接では「志望動機」という表現は使わず、次のような質問が行われる場合があります。

  • 「当社を選んだ理由は何ですか」
  • 「どのような仕事がしたいですか」
  • 「入社後に挑戦したいことはありますか」

これらは、表現が異なるだけで、すべて志望動機や入社後の展望を知るための質問です。そのほか、自己PRとセットで志望動機を聞かれることもあります。そのため、志望動機を準備しておけば、幅広い質問に対応できるはずです。

自分らしい志望動機で強みとやる気を伝えよう

障害者雇用で志望動機が尋ねられるのは、主に応募理由と入社後の展望、会社・職場とのマッチングを明らかにすることが目的です。フォーマットやテンプレートを丸ごと流用するのではなく、これまでの職歴・経歴や習得したスキル、必要な配慮事項を軸に、会社に貢献できることややりたいことなども踏まえ、自分の強みや魅力をアピールしましょう。

「志望動機の適切な受け答えが分からない」「面接で何を聞かれるか不安で仕方ない」といった悩みを抱えているなら、同じ経験のある仲間の話を聞いてみませんか。障害のある方が匿名・無料で参加できるキャリア共創コミュニティ「あしたのあるきかた」では、ユーザーが悩みを共有したり励まし合ったりしながら、新たな一歩を踏み出すきっかけをつかんでいます。経験者の投稿を参考にするほか、専門スタッフへの相談も可能です。ぜひお気軽にご登録ください。

非公開: 戸田 幸裕
監修者 パーソルダイバース株式会社 人材ソリューション本部 事業戦略部 ゼネラルマネジャー

戸田 幸裕

上智大学総合人間科学部社会学科卒業後、損害保険会社にて法人営業、官公庁向け営業に従事。2012年、インテリジェンス(現パーソルキャリア)へ入社し、障害者専門のキャリアアドバイザーとして求職者の転職・就職支援に携わったのち、パーソルチャレンジ(現パーソルダイバース)へ。2017年より法人営業部門のマネジャーとして約500社の採用支援に従事。その後インサイドセールス、障害のある新卒学生向けの就職支援の責任者を経て、2024年より現職。
【保有資格】国家資格キャリアコンサルタント、障害者職業生活相談員

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