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双極性障害あるある事例|当事者によくある行動と誤解されやすいポイント

公開日:

双極性障害は、気分の高揚と落ち込みを繰り返す精神疾患であり、本人でさえ自分の状態を把握しづらいという特徴があります。そのため日常生活や仕事、人間関係の中で「なぜこんな行動をしてしまったのか」「どうして急に何もできなくなるのか」など、悩む人は多いです。

本記事では、「双極性障害のあるある」について、当事者が体験しやすい典型的な状況・行動を具体例とともに解説します。双極性障害の当事者がご自身の障害特性への理解を深めることはもちろん、家族や職場など当事者との関わり方について理解したい人にも役立つ内容ですので、ぜひ参考にしてください。

そもそも「双極性障害」とは?

双極性障害とは、「躁状態(気分が高まる状態)」と「うつ状態(気分が落ち込む状態)」を繰り返す精神障害(気分障害)の一種です。躁状態では気分が異常に高揚して活動的・衝動的になる一方で、うつ状態ではうつ病のような強い抑うつや意欲低下が現れることが特徴です。この振れ幅の大きさが、日常生活・社会生活においてさまざまな影響を及ぼし、就労や人間関係の困難につながります。

双極性障害の「あるある」につながる代表的な症状

躁状態では、気分が異常に高揚して根拠のない自信や万能感が強まり、活動量や発話量が急増します。同時に判断力が低下し、衝動的な買い物や過度な仕事の引き受け、人間関係でのトラブルなどを招きやすくなります。一方でうつ状態では、気分の落ち込みや興味・関心の喪失が続き、身体面では不眠や食欲不振、強い倦怠感などの症状が代表例です。

意欲や集中力が急激に低下し、自責の念が強くなり将来への悲観や希死念慮が生じることも珍しくありません。双極性障害の特徴は、これらの状態を周期的に繰り返し、これが後述する「あるある」につながります。

双極性障害の躁状態の「あるある」事例

双極性障害の躁状態における「あるある事例」をご紹介します。

睡眠不足でもあまり疲れない

ほとんど眠らなくても平気だと感じることが増えます。深夜まで仕事や趣味などに没頭して、たとえ睡眠時間が2~3時間しかなくても、翌朝はなぜか爽快な気分で目覚めることができるのです。このような状態にあるとき、「今なら何でもできる」「寝るのはもったいない」などと感じ、周囲が心配しても聞く耳を持たない傾向があります。しかし、その背景には病的な「駆り立てられ感」があり、身体的・精神的な疲労は確実に蓄積しています。

根拠のない自信や万能感に支配される

根拠のない自信や万能感に支配されます。例えば、これまで難しいと感じていた仕事を「自分なら簡単にできる」「何でもできる」と確信するなどです。その勢いで実力以上の役割を引き受けたり、大きな計画や事業を立ち上げたりすることもあります。次々と新しいことを始めたくなることも特徴です。

多弁になり口数が急激に多くなる

急におしゃべりになって会話が止まらなくなります。頭が冴えて次々とアイデアが浮かぶため、雑談や会議の場などで一人だけ話し続けてしまうのです。相手が口を挟む隙も与えず、話題も次から次に飛ぶため、周囲は圧倒されて会話についていけなくなります。また、話し方が演説口調のようになることもあります。

衝動的な行動が増えてしまう

衝動的な言動が急増します。例えば、高額な商品を「これは必要な投資だ」「今しか買えない」と考えて衝動買いしたり、初対面の相手にも過度に親しげに話したりするなどです。また、新しい趣味・勉強や資格取得など、いろいろなことを一気に始めることもあります。

双極性障害の抑うつ状態の「あるある」事例

双極性障害の抑うつ状態における「あるある事例」をご紹介します。

朝起きることができない

目は覚めていますが、布団のなかで身体が重く、起き上がるまでに異常な労力を必要とします。「仕事に行かなければならない」ことが分かっていても、身体が思うように動きません。また、十分な睡眠時間を取っているにも関わらず、躁状態のときと対照的に疲れが取れないことも特徴です。

日常行動が極端に難しくなる

身支度や家事など、普段は簡単にできる基本的な日常行動が極端に難しくなります。例えば、「歯を磨く」「シャワーを浴びる」「電子レンジでご飯を温める」などの行為が、大きな作業のように感じられてやる気が出ません。また、他人との連絡やコミュニケーションも負担になり、メッセージに返信しないなど一時的に連絡を絶ってしまうこともあります。

頭が働かず集中力が低下する

まるで霧がかかったように思考が鈍くなり、目の前の物事に意識を向けようとしても、頭に入ってこなくなります。例えば、文章を読んでもただ文字を追うだけで内容を理解できない、会話を聞いていても途中から相手の話が分からなくなるなどです。仕事中も簡単な判断や選択に時間がかかったり、これまで簡単にできていたタスクがこなせなくなったりします。

極端にネガティブな思考に陥る

小さなミスや過去の出来事を振り返り、「自分は役に立たない」「周囲に迷惑をかけている」など、極端にネガティブな思考になります。また、躁状態のときの衝動的な言動について、後悔や恥ずかしさなどを感じて自責の念に陥ることも多いです。以前は楽しめていた趣味や娯楽も楽しめなくなり、「もう元の自分には戻れない」など将来への悲観も強まります。

双極性障害の「あるある」で誤解を招いてしまうポイント

前述した双極性障害の「あるある事例」について、周囲の誤解を招いてしまうポイントは次のとおりです。

評価が極端に分かれてしまう

躁状態の時期には、朝早くから精力的にはたらいて会議で次々と意見を出し、短期間で成果を上げることがあります。特に軽躁状態では、その姿だけを見ると「優秀で行動力のある人」「頼りになる存在」と高く評価されることもあるでしょう。

一方で、抑うつ状態に入ると遅刻や欠勤を繰り返したり、最低限の業務をこなすだけで精一杯になったりします。その状態だけ見た人は、「能力が低い」「怠けている」と評価するなど、極端なギャップが生じてしまうのです。

「信用できない人」だと思われてしまう

躁状態では気分が高揚し、「大丈夫です」「引き受けます」など自信満々に約束を重ねてしまいます。その時点では本人も達成できると本気で信じていますが、抑うつ状態になると約束を守れないことが多いです。これは本人の人格ではなく障害が原因なのですが、それが理解されていないと「言動がコロコロ変わる」「信用できない」と思われてしまいます。

「二重人格」だと誤解されてしまう

躁状態のときは明るく社交的で、口数や冗談も多く、初対面の人ともすぐに打ち解けられます。抑うつ状態では、表情が乏しく声も小さくなり、必要最低限の会話しかしなくなります。この変化により、「日によって態度が違いすぎる」「二重人格なのではないか」と誤解されてしまいがちです。

双極性障害の「あるある」への理解を深めるために

双極性障害の「あるある」への理解を深めるために、次のポイントが重要です。

ギャップは人格・性格ではなく「脳の働き」が原因

双極性障害のある方は、感情や思考を制御する脳の機能が不安定になり、いわばアクセルとブレーキの効き方が極端に変化します。躁状態ではブレーキが効かず、思考や行動などの衝動を制御しきれません。一方、抑うつ状態ではアクセルが効かず、頭も身体も動かなくなってしまいます。

これは脳内のセロトニンやドーパミンなど、神経伝達物質のバランスが崩れることが原因だと考えられています。人格や性格に問題があるわけではないため、当事者も周囲の人もあくまで「病気のせい」であることを理解することが大切です。

適切な治療を続けることで双極性障害の症状は改善する

双極性障害は、気分安定薬や抗精神病薬などの薬物療法を中心として、適切な治療と医師の経過観察を続けることで、躁状態と抑うつ状態のギャップを軽減できます。また、心理教育や認知行動療法(CBT)を取り入れることで、気分変化に対して適切な考え方や行動が取れるようになり、衝動的な言動を制御しやすくなります。治療を続けることで、以前のようにはたらくこともできるでしょう。

家族や職場など周囲の理解と支援が不可欠

双極性障害の「あるある」は、当事者の意識や努力だけではコントロールが難しいため、家族や職場などに障害について説明して、理解を求めることが重要です。理解と支援を求めることは決して「甘え」ではなく、双極性障害の症状の再発・悪化を防ぎながらはたらいたり、症状を改善したりするために欠かせません。また、双極性障害に関する不安や悩みを相談できるような、仲間や環境が存在するとより心強いでしょう。

双極性障害に関する不安を「あしたのあるきかた」で共有してみよう

躁状態とうつ状態を繰り返すという症状により、双極性障害のある方は「衝動的な行動が増える」「極端にネガティブになる」など、極端な浮き沈みが生じてしまいます。そのため、今回ご紹介した「双極性障害のあるある」や、周囲の誤解を招いてしまうのです。双極性障害の治療を続けると同時に、ご自身の障害・症状を説明して理解と配慮が得られるようにすることで、職場でも困難に対応しやすくなります。

また、双極性障害の不安や悩みについて、医師・カウンセラーには相談しづらい本音の部分を共有できる「仲間」がいれば心強いです。障害のある方が匿名・無料で参加できるキャリア共創コミュニティ「あしたのあるきかた」では、あなたと同じ境遇にある方と交流して、双極性障害のつらいことや対処法、今後の生活や働き方について仲間に相談できます。この機会にぜひ、コミュニティに登録してみてください。

非公開: 戸田 幸裕
監修者 パーソルダイバース株式会社 人材ソリューション本部 事業戦略部 ゼネラルマネジャー

戸田 幸裕

上智大学総合人間科学部社会学科卒業後、損害保険会社にて法人営業、官公庁向け営業に従事。2012年、インテリジェンス(現パーソルキャリア)へ入社し、障害者専門のキャリアアドバイザーとして求職者の転職・就職支援に携わったのち、パーソルチャレンジ(現パーソルダイバース)へ。2017年より法人営業部門のマネジャーとして約500社の採用支援に従事。その後インサイドセールス、障害のある新卒学生向けの就職支援の責任者を経て、2024年より現職。
【保有資格】国家資格キャリアコンサルタント、障害者職業生活相談員

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