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障害者の就労支援とは?仕事・転職に役立つ支援サービスを紹介

現在、国内では就労を目指す障害者へのさまざまな支援が行われています。しかし、就労支援の種類は多く、自ら申請しないと受けられないものもあるため、知識や情報を得たうえ、自分に合ったものを選ぶことが大切です。この記事では、障害のある方が利用できる就労支援について解説します

障害者の就労支援の仕組み・現状と今後の課題

障害者就労支援とは、就労意欲はあるものの、障害があることで一般的な形態での就労が難しい方や、就労上のサポートを必要とする方が利用できる制度です。法律に基づき、各種障害福祉サービスと連携した、公的事業の一環として提供されています。

近年、各種就労支援の充実に伴い、障害のある方の雇用者数や実雇用率は増加傾向です。今後は、多様化する求職者のニーズに応えられるよう、各種障害福祉サービス間の連携をさらに強化し、支援の質と量を充実させていくことが課題だと言われています(出典:障害者の就労支援について|厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課、第2節 障害のある人の雇用・就労の促進施策|第3章 社会参加へ向けた自立の基盤づくり|令和7年版 障害者白書)。

【目的別】障害者総合支援法に基づく就労支援制度

次に、障害者総合支援法に基づく、以下4種類の公的就労支援制度を紹介します。

就労支援の種類概要賃金 
工賃
雇用
契約
利用期間 
就労移行支援一般就労へ向けた職業訓練を提供する最長2年
就労継続支援  A型一般就労が困難な方に就労と知識・能力向上の機会を提供する定めなし
B型
就労定着支援長期的な職場定着をサポートする最長3年
就労選択支援より良い仕事・働き方の選択を促す就労アセスメントを提供する最長2ヶ月


なお、いずれの制度も障害者手帳の有無は問いませんが、各種サービスを受けるには「障害福祉サービス受給者証」が必要になります。支援を受けることを希望する場合は、まず専門の医療機関を受診のうえ、自治体の窓口に相談し、通所可能な事業所の紹介を受けましょう。

一般企業への就職を目指す「就労移行支援」

「就労移行支援」とは、障害があるものの就労が可能で、一般企業などではたらくことを希望する方を対象とする制度です。利用条件は、原則として65歳未満の方となっており、最長2年間利用できます(※要件を満たせば例外あり)。賃金や工賃は得られませんが、仕事・職場体験や就労に必要な基礎的なビジネススキルと生活習慣に関する訓練、求職活動のアドバイス・サポート、就職後6ヶ月間の定着支援などが提供されます。

訓練を受けながらはたらける「就労継続支援」

「就労継続支援」では、一般就労が困難な障害者に対し、就労と知識・能力の向上の機会が提供されます。A型・B型の2種類の事業所があり、特徴や違いは以下の通りです。

種類概要利用条件
就労継続支援 A 型雇用契約に基づき、賃金を得ながら
就労訓練と就労の機会(福祉的就労)が得られる
①就労移行支援事業所への通所や特別支援教育を受けた経験があるが、企業などへの雇用に結びつかなかった方

②就労経験があるが現在は無職の方

③上記①または②の該当者のうち、原則65歳未満の方
就労継続支援 B 型雇用契約を結ばず、工賃を得ながら
就労訓練と就労の機会(福祉的就労)が受けられる
①就労経験があるが、年齢・体力面の理由から一般企業ではたらくのが難しくなった方 ※1

②50歳以上の方または障害基礎年金1級を受給している方

③上記①②に該当しないものの、就労移行支援事業所やその他の公的相談機関から、一般就労に課題があると評価された方

※1 要件を満たせば通所できる可能性がある

いずれも、通所期間に定めはありません。個々の障害特性や状態に応じて、継続的に支援を受けることが可能です。

一般的には、雇用契約を結ぶA型事業所のほうがB型事業所の工賃より高い賃金を得られるため、収入や生活が安定しやすいでしょう。ただし、A型事業所は、各事業所が定める雇用条件に基づき、安定した就労に耐え得る体力やスキルがあることが求められます。また、A型事業所はB型事業所と比べ事業所数が少ないことから、地域や状態によっては通所の機会が限られることもあります。

対して、B型事業所は高い工賃は見込めないものの、特性や体調面を考慮しながら柔軟にはたらきやすいことが特徴です。なお、2025年10月以降、B型事業所通所の新規申し込みの際には、後述の「就労選択支援」を受けることが原則前提となりました。これは、地方在住などで就労継続支援の選択肢が少ない方がいることや、通所の支給決定時のアセスメント(分析・評価のプロセス)が十分でない場合があることを背景としています。

長くはたらくことをサポート「就労定着支援」

「就労定着支援」とは、各種障害者の就労支援制度の利用を経て就職した方の、長期的な職場定着をサポートする制度です。就職から6ヶ月以上勤務し、仕事や職場での困難や困りごとを抱えている方が対象であり、最長3年間利用できます。

具体的な支援内容は、仕事上の困りごとの相談受付、生活や体調管理に関するアドバイス、はたらいている企業・事業所と医療機関との連絡・調整などです。「長く安定してはたらける仕事を見つけたい」というニーズに応え、業務内容・業務量が合わない、体調面に不安があるなどの悩みに関するアドバイザーや、企業との橋渡しとしての役割を担っています。

自分にあった働き方を見極める「就労選択支援」

「就労選択支援」とは、障害者総合支援法の改正に基づき、2025年10月から導入された、現時点で最も新しい制度です(※2026年3月現在)。障害のある方本人が、個々の特性や希望、就労能力に合わせ、より良い就労先や働き方を選択できるようになることを目的に制定されました。

原則として、就労選択支援は、就労継続支援B型事業所に通所する方が支援対象です。国が定める一定の条件を満たし、就労選択支援事業所として自治体の認定を受けた就労移行支援事業所または就労継続支援事業所、委託法人などで、最長2ヶ月間利用できます。なお現状では、就労継続支援A型事業所と就労移行支援事業所の通所者は任意となっていますが、2027年4月からは原則利用となることが決まっています。

具体的な支援内容は、従来の就労継続支援B型事業所で提供されているような「就労アセスメント」です。専門家のサポートを受けながら、特性や適性、課題の整理・把握による自己理解や障害理解を深め、障害のある方自身が自分に合った仕事・職場や働き方、就労系福祉サービスが選べるようになることを目標としています。

自分にぴったりの仕事探しをサポートする就労支援サービス

障害者の就労支援には、障害者総合支援法で定められる福祉制度のほかにも、さまざまな公共・民間サービスが存在します。以下では、障害のある方が利用できる、代表的な3つの就労支援サービスを見ていきましょう。

ハローワークの障害者窓口

全国のハローワーク(公共職業安定所)には、障害者窓口が設置されており、障害者雇用の職業紹介や、就職活動に関する全般的な指導・助言が受けられます。窓口自体の利用条件はなく、誰でも相談可能です。ただし、障害者雇用枠の求人の紹介を受けるには、原則として障害者手帳などの要件を満たす必要があります。

障害者向け転職・就職エージェント

障害者向け転職・就職エージェントとは、障害者手帳を取得している方を対象とする、民間の転職・就職支援サービスです。一般には非公開の求人の紹介や、専門のキャリアアドバイザーによる個々の障害特性に応じた応募書類の作成サポート、面接対策などの支援が受けられます。

障害者の自助会・コミュニティ

障害者の自助会・コミュニティとは、当事者やその家族が集い、経験や悩みを共有し合う場です。職業紹介や斡旋、直接的な支援が提供されるわけではありませんが、就労に関する失敗談悩みや成功談 、どのような工夫をしたのかなど、当事者のリアルな体験談から、課題解決のヒントが得られます。また、同じような悩みや課題を持つ仲間とつながることで、孤独感や不安感を和らげたり、自己理解や他己理解を深めたりするきっかけになることもあるでしょう。

対面での相談に不安がある場合は、オンラインコミュニティの利用がおすすめです。インターネットを利用し、非対面・匿名で気軽に仲間を探してつながれます。障害のある方が匿名・無料で参加できるキャリア共創コミュニティ「あしたのあるきかた」のように、キャリア支援もカバーしてもらえるコミュニティサイトもあるので、ぜひ利用を検討してみてはいかがでしょうか。

【就活段階別】障害者の就労支援の組み合わせフローチャート

障害のある方が専門的な就労支援を活用するにあたって大切なのは、自分に合ったサービスを選ぶことです。一口に就労支援といっても、その種類や支援内容は事業によって異なります。従って、自分の障害特性・状態と、就労支援の種類・違いを理解したうえ、実績や利用しやすさ、サービスごとの雰囲気も踏まえ、自分に合ったサービスを選んだり、組み合わせたりすることが大切です。

以下に、ニーズに応じた適切な支援サービスの選び方を簡単にまとめたので、ぜひ参考にしてみてください。

【準備期】自分らしい働き方を見つける

はたらきたい気持ちはあっても、自分にできるか不安な方や、ブランクがあるといった悩みのある方におすすめの支援機関・サービスと、その利用の流れは以下の通りです。

  1. 専門の医療機関や自治体の窓口:確定診断・治療と障害者手帳・受給者証の相談
  2. 就労移行支援または就労継続支援:スキルアップと就職活動のサポート

まず、専門の医療機関で診断書を発行してもらい、それを持って自治体の障害福祉窓口に相談し、障害者手帳や福祉サービス受給者証を申請してください。その後、特性や状態に応じて、就労移行支援もしくは就労継続支援を選択しましょう。

はたらく準備や訓練をしたいなら就労移行支援、一般就労が難しく、特性や体調に合わせて無理なくはたらきたいなら就労継続支援の利用をおすすめします。事前に就労選択支援を受け、自分に合った仕事探しと、はたらく準備を整えることも可能です。

【実行期】自分に合った職場を探す

現在、すでにはたらくスキルや体力があり、配慮事項を理解してくれる会社を探したい方におすすめの就労支援と、申請フローは以下の通りです。

  1. ハローワークの障害者窓口:障害者雇用の求人や情報の収集
  2. 障害者向け転職・就職エージェント:プロによる書類・面接対策や障害者雇用の求人紹介
  3. コミュニティ:障害者雇用や、その選考のリアルな声を収集

仕事探しを中心に進めたいときのファーストステップにぴったりなのが、ハローワークの障害者窓口です。

さらに、在職中や正社員での就職を目指す場合は、障害者向け転職・就職エージェントでプロのサポートを得ることをおすすめします。個々の特性や配慮事項を踏まえ、希望や条件に合う仕事が効率良く見つけられるでしょう。

併せて、コミュニティで当事者の体験談を聞くことで、就職活動や就労に関する不安が和らぐ効果が期待できます。

【定着期】就職後の不安を解決する

就職した後「仕事内容や人間関係で悩みがある」「体調を崩しそうで不安だ」などという方は、次の就労支援がおすすめです。

  1. 就労定着支援:企業との調整・面談
  2. コミュニティ:利害関係のない仲間に本音を相談・リフレッシュ

就労後の不安解消に最適なのが、就労定着支援です。専門の担当者が企業との橋渡し役となり、調整をサポートしてくれます。


さらに、気軽に利用できるコミュニティで、支援員には話しづらいような悩みや不安、疑問を相談すれば、解決のヒントが得られるほか、気持ちのリフレッシュにも効果的です。

就労支援を活用して自分らしい仕事・働き方を実現する第一歩を!

障害者の就労支援は「就労移行支援」「就労継続支援」「就労定着支援」「就労選択支援」の4つの制度を柱とし、さまざまなサービスが提供されています。障害者手帳を取得すれば、受けられるサービスや応募できる仕事の選択肢がさらに広がります。自分の障害特性や状態、希望に合わせて必要な就労支援を組み合わせ、より良い仕事・働き方の実現を目指しましょう。

非公開: 戸田 幸裕
監修者 パーソルダイバース株式会社 人材ソリューション本部 事業戦略部 ゼネラルマネジャー

戸田 幸裕

上智大学総合人間科学部社会学科卒業後、損害保険会社にて法人営業、官公庁向け営業に従事。2012年、インテリジェンス(現パーソルキャリア)へ入社し、障害者専門のキャリアアドバイザーとして求職者の転職・就職支援に携わったのち、パーソルチャレンジ(現パーソルダイバース)へ。2017年より法人営業部門のマネジャーとして約500社の採用支援に従事。その後インサイドセールス、障害のある新卒学生向けの就職支援の責任者を経て、2024年より現職。
【保有資格】国家資格キャリアコンサルタント、障害者職業生活相談員

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