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仕事ができないのは発達障害の特徴?つまずきの原因と解決策

公開日:

発達障害の特性により、周囲から「仕事ができない」というイメージを抱かれることに悩んでいたり、自信を失い落ち込んでしまったりしていませんか。この記事では、発達障害のある方が「仕事ができない」と思われがちな理由と、その解決策を解説します。

発達障害のある方が「仕事ができない」と感じてしまう理由

「発達障害」とは「ASD(自閉スペクトラム症)」「ADHD(注意欠如多動症)」「LD(学習障害)」の3つを代表とする、先天的な脳機能の凹凸による障害の総称です。発達障害のある方は、その特性により、周囲から「仕事ができない」と思われてしまうことがあります。それは、主に次の3つの理由から、周囲の誤解を招くことがあるからです。

  • 「本人の努力不足」と誤解されることがある
  • 判断や作業に時間がかかりやすい
  • 職場のコミュニケーションや場の空気を読み取ることが難しい

「本人の努力不足」と誤解されることがある

発達障害のある方には、障害種別ごとにさまざまな特性があるといわれています。

例えば、ASDのある方は、強いこだわりやマイルール、コミュニケーション上の特性により、仕事にも支障をきたすことがあります。ADHDがあると、ケアレスミスや時間・スケジュール管理のミス、片付かない環境、突発的な言動などで、仕事に悪影響を及ぼすこともあるでしょう。LDのある方は、読み・書き・計算のいずれかの習得が難しく、基礎的なタスクができない、もしくはひどく時間がかかることで、業務に差し支えることがあります。

こうした特性は、発達障害の知識や理解のない人からは、わがままや甘え、要領の悪さなどのように見えてしまうことも少なくありません。とはいえ、自分の特性を理解し、困りごとやできないことを「できる」に変えていければ、仕事で活躍できる可能性が高まります。

また、特性に応じた合理的配慮が「特別扱い」だと誤解される恐れもあるため、事前に周囲に説明して理解を求めるとともに、配慮事項の伝え方にも工夫が必要です。

判断や作業に時間がかかりやすい

一般的に、ASDやADHDのような発達障害のある方は、仕事の段取りや優先順位をつけるのが苦手な傾向にあります。加えて、脳のワーキングメモリの機能が生まれつき低い特性に起因して、仕事で求められることの多い、マルチタスクや臨機応変な対応も不得意です。明確な指示やマニュアルがないと、何から手をつければ良いか判断できず、結果的に多くの時間を要したり、見当違いなことをしてしまったりすることがあります。また、一つの業務に集中できない、もしくは集中しすぎてしまい、ミスや遅れ、トラブルを招くこともあるでしょう。

一方、LDのように特定の作業に困難のある方だと、仕事の手順自体は理解できても、業務内容によっては一つひとつのタスクを行うのに時間がかかりがちです。

障害特性による仕事上の困りごとは、不得意や苦手なことへの工夫と、周囲からの適切な配慮やサポートを得ることで改善できる可能性があります。こまめにメモを取る、ToDoリストやチェックリストを作成する、どうしてもできないことは配置や業務内容・量を調整してもらうなど、個々の特性を踏まえ、どのような工夫や配慮が求められるのかを考えてみるとよいでしょう。

職場のコミュニケーションや場の空気を読み取ることが難しい

発達障害のある方は、悪気がないにもかかわらず、人間関係に不和を招くことがあるといわれています。

例えば、ASDのある方は、そもそも対人コミュニケーションが苦手な方が多いです。言い回しや表情などが独特であることも相まって、職場や取引先、顧客との円滑な人間関係の構築に支障をきたすことがあります。また、言外の意図や場の空気、非言語サインを読み取ることも難しく、言葉を額面通りに受け止めがちなので、あいまいで遠回しな表現や冗談、比喩が理解できず、トラブルを招くこともあるでしょう。

また、ADHDの特性に起因する、早口や一方的な会話、ストレートな表現、興味が持てないときのぼんやりとした態度などは、相手に混乱や違和感を抱かせることがあります。そもそも理解のない職場だと、発達障害があることだけを理由に、誤解や偏見を持たれるケースも珍しくありません。

こうした対人関係のトラブルは、自分のコミュニケーションのクセを理解し、苦手を克服するトレーニングと、特性を強みとして活かす工夫が求められます。

発達障害で「仕事ができない」と悩む方が実践したい5つのこと

発達障害があり「仕事ができない」と悩んでいるときは、次の5つの対処法を実践してみてください。

  • 精神科や心療内科で継続的に治療を受ける
  • 自分の強みを知る
  • 職場の理解と協力を得る
  • 専門の支援機関を活用する
  • 当事者の体験談を参考にする

精神科や心療内科で継続的に治療を受ける

発達障害の特性による困りごとを軽減するには、精神科や心療内科へ定期的に通院し、治療を継続することが大切です。薬物療法やカウンセリングなどの治療を通し、仕事や生活に支障をきたす特性や症状を抑え、ストレスと生きづらさを軽減できる可能性があります。

また、医師やカウンセラーから、仕事上のアドバイスや、困りごとの改善に役立つ情報の提供が得られることもあるので、まずは主治医に相談してみることをおすすめします。

自分の強みを知る

発達障害の特性は、困りごととして現れることがある反面、強みとして発揮されることもあります。

例えば、ASDのある方はルール遵守や細やかな注意力、継続力、好きなことに対する豊かな知識と集中力などが強みです。ADHDのある方は、仕事で重宝される、高い行動力や決断力といった能力が備わっている方が多い傾向にあります。LDのある方は、特定の作業・学習ができない一方で、その他の能力には問題ないため、苦手をカバーし、得意を活かせる仕事を選べば活躍できるかもしれません。

自分の障害特性への理解を深め、強みとして活かせるポイントを探してみてください。

職場の理解と協力を得る

特性が強みになるか弱みになるかどうかは、環境条件や周囲とのサポートによって決まることが多いです。そのため、周囲に自分の特性や必要な配慮事項を分かりやすく説明できるようまとめ、事前に伝えておくことが重要だといえます。

なお、合理的配慮の提供は企業側の義務となっていますが、内容や伝え方によっては、特別扱いを求めていると誤解されてしまうかもしれません。ポイントは、ただ「配慮してください」と伝えるのではなく、具体的にどのようなサポートが必要なのかを明確化することです。また、自分でも工夫していること、特性上どうしてもできないことを伝えたうえ、必要な配慮を謙虚な姿勢で求め、職場と条件を擦り合わせることで、理解を得やすくなります。

専門の支援機関を活用する

発達障害の特性による仕事での困り事は、専門的なサポートを受けることで改善できる可能性があります。代表的な発達障害者の就労支援機関の一つに挙げられるのが「就労移行支援事業所」です。障害者手帳の有無にかかわらず、最長2年間通所でき、基本的なビジネスマナーや生活習慣の整え方、職業スキル、周囲との適切な付き合い方などが学べます。

また、現職で合理的配慮を得るのが難しいときは、障害者への理解の深い、障害者雇用枠で転職するのも一つの選択肢です。ハローワークの障害者窓口のほか、障害者手帳を取得している方なら障害者雇用に特化した転職エージェントが利用できるので、自分の特性に合わせた合理的配慮の得られる仕事が見つかりやすくなるでしょう。

当事者の体験談を参考にする

発達障害のある方で、仕事上の困りごとを解決したいと思いつつ、具体的な方法が思いつかず悩んでいるなら、同じ障害のある当事者の体験談を聞いてみることをおすすめします。体験談を聞くことで、特性による困りごとが明確に言語化され、整理しやすくなるからです。

また、当事者の体験談には、失敗を成功に変えるヒントが詰まっています。問題解決にあたって、どのように工夫したのか、どういった配慮を得たのか、どうやって伝えたのかを聞くことで、これまでの自分に足りなかった対処法が見えてくるはずです。

加えて「同じように悩んでいる人がいる」「自分は一人ではない」と分かるだけでも、心が落ち着き、希望や自信を取り戻すきっかけになるかもしれません。

当事者の体験談を聞くなら、いつでもどこでも気軽に相談できるオンラインコミュニティがおすすめです。自己理解や障害理解を深め、自分に適切な環境と必要な配慮事項を知るためにも、ぜひ利用してみてはいかがでしょうか。

障害特性を自覚して「できないこと」をカバーする方法を考えてみよう!

周囲と同じように仕事ができないと「自分はダメだ」と責めてしまうこともあるかもしれませんが、決してそのようなことはありません。発達障害があっても、個々の特性を深く理解し、適切な対策を講じることで、自分らしく活躍できる可能性が高まります。

自分ではどうすればいいか分からず、一人で悩んでいるなら、当事者の体験談を参考にしてみませんか。障害のある方が匿名・無料で参加できるキャリア共創コミュニティ「あしたのあるきかた」では、さまざまな障害のある方が集い、意見を交わしています。気持ちや悩みを共有し合う中で、自分に合った仕事のやり方や、適切な対策の道筋が見えてくるかもしれません。匿名で相談できるので、ぜひお気軽にご登録ください。

非公開: 戸田 幸裕
監修者 パーソルダイバース株式会社 人材ソリューション本部 事業戦略部 ゼネラルマネジャー

戸田 幸裕

上智大学総合人間科学部社会学科卒業後、損害保険会社にて法人営業、官公庁向け営業に従事。2012年、インテリジェンス(現パーソルキャリア)へ入社し、障害者専門のキャリアアドバイザーとして求職者の転職・就職支援に携わったのち、パーソルチャレンジ(現パーソルダイバース)へ。2017年より法人営業部門のマネジャーとして約500社の採用支援に従事。その後インサイドセールス、障害のある新卒学生向けの就職支援の責任者を経て、2024年より現職。
【保有資格】国家資格キャリアコンサルタント、障害者職業生活相談員

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