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精神障害者で「仕事が続かない」とお悩みの方へ|原因・対処法と適職探しのポイント

公開日:

精神障害のある方は「仕事が続かない」と悩むことが多いです。障害者雇用の支援は拡充が続いていますが、依然として精神障害者の定着率は低い傾向があります。しかし、ご自身にとってはたらきやすい仕事の選び方を理解することで、精神障害のある方も職場に定着しやすくなります。本記事では、精神障害者の方が仕事が続かない理由と対処法、適職選びのポイントについて分かりやすく解説します。

精神障害者は仕事が続かない?

「精神障害者は仕事が続かない」と言われていますが、公的機関のデータをもとに実情を解説します。

精神障害者の定着率はほかの障害種別より低い

厚生労働省が2017年に公表した「障害者雇用の現状等」によると、一般雇用と障害者雇用を含めた、障害種別の定着率は次のとおりです。

出典:障害別にみた職場定着率の推移と構成割合(2017年4月 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構 障害者職業総合センター)

1年後の定着率は、発達障害者と知的障害者が7割近いのに対し、精神障害者は5割を切っており、過半数が1年後に離職しています。したがって、「精神障害があると長期就労が困難になりやすい」傾向があることは事実だといえるでしょう。

平均勤続年数は以前より増加している

一方で「令和5年度障害者雇用実態調査」によると、平均勤続年数は以前より増加傾向にあります。

障害種別平均勤続年数(2023年)前回の数値(2018年)
身体障害者   12年2ヶ月      10年2ヶ月
知的障害者  9年1ヶ月7年5ヶ月       
精神障害者5年3ヶ月3年2ヶ月
発達障害者5年1ヶ月3年4ヶ月

依然として身体障害者や知的障害者より低い水準ではありますが、5年前と比較するとすべての障害種別で平均勤続年数が2年ほど伸びています。主な背景として、合理的配慮の義務化による企業のサポート体制の強化や、多様な働き方の促進があると考えられます。

精神障害者が長期就労しづらい理由

前述のとおり、精神障害者は仕事が続かない傾向がありますが、その理由として次のようなものが挙げられます。

障害の影響で体調が悪化しがち

精神障害の原因となる精神疾患はさまざまで、障害特性や症状も異なりますが、「疲れやすい」「集中力が保てない」「不安感が強い」などは多くに共通します。精神障害者にとって「はたらくこと」は大きな負担であり、常に不安や緊張感の強い状態にあるため、心身ともに疲弊してしまうことが多いのです。通勤時の混雑によるストレスで体調を崩し、仕事を続けるのが難しくなることもあるでしょう。

人間関係で課題が生じやすい

厚生労働省が2015年に公表した「平成25年度障害者雇用実態調査結果」によると、精神障害者の離職理由として、「職場の雰囲気・人間関係」を挙げた人が33.8%で最多でした。健常者でも人間関係は主要な離職理由ですが、精神障害者は人付き合いやコミュニケーションに課題を抱えがちなので、より大きな負担になります。また、職場で仕事に関する相談がしづらいことや、上司や同僚の何気ない発言が症状悪化の原因になることもあります。

職場での理解や配慮が得づらい

精神障害者が無理なく安定してはたらくためには、職場での理解や配慮が欠かせません。しかし、精神障害は外見からは分からないため、当事者でなければその特性や症状を理解することが難しいです。

また、自身の障害特性や必要な配慮について言語化できていないケースも少なくありません。こうした「理解されない」「困難なことを伝えられない」つらさが重なって職場に居づらくなり、そのストレスによる症状悪化で就労不可能な状況になることもあります。

精神障害者に向いている仕事・職場の特徴

精神障害者に向いている仕事・職場の特徴として、次のようなものが挙げられます。

フレキシブルな働き方ができる

精神障害者は定期的な通院が必要ですが、休日は病院が開いていないことが多いため、どうしても平日に時間を取る必要があります。また、体調や状況によっては通勤やオフィス勤務が難しい日もあるため、時差出勤・時短勤務・在宅勤務など、柔軟な働き方ができる仕事が向いています。無理をすると精神障害が悪化するため、時間の融通が利く職場を選びましょう。

自分のペースでタスクをこなせる

自分のペースを乱されることや、ノルマの達成が求められることは、精神障害のある方にとって大きな負担になります。そのため、時間に追われる仕事やイレギュラーが多い仕事は避けるほうが賢明です。マニュアルが完備されているルーチンワークや、ひとつのタスクを自分のペースでこなせる仕事なら、ストレスを軽減しながらはたらきやすいでしょう。

対人コミュニケーションが少ない仕事

前述したように、対人コミュニケーションは精神障害者にとって大きなストレスになりやすいです。コミュニケーション機会が特に多い接客業や営業などの仕事では、ストレスが蓄積してしまいます。データ入力メインの事務職やITエンジニア、クリエイティブ系や製造業の工場勤務などであれば、コミュニケーションでのストレスが少ないです。

精神障害者の雇用実績が豊富な職場

精神障害は当事者以外に理解しづらい部分があるため、精神障害者がはたらきやすい環境の整備に関して、課題を抱えている企業は少なくありません。精神障害者の雇用実績が豊富な職場であれば、働き方や仕事内容、コミュニケーションなどで適切な配慮を受けやすいため、安定して就労できる可能性が高まります。

精神障害者が仕事を続けるためのポイント

精神障害者の長期就労が難しい理由は、体調の悪化や人間関係の困難さ、理解・配慮の不十分さなどが挙げられます。そのため、「仕事が続かない」とお悩みの精神障害者の方は、次のポイントを意識することが重要です。

体調が悪化するきっかけを把握する

どんなときに精神障害の症状が悪化するかを見極めましょう。現職で抱えている課題や困難を軸に考えると分かりやすいです。例えば、通勤時の人混みで強い不安や恐怖を感じたり、対人業務で著しいストレスを感じたりするなどです。これにより、ご自身に向いている仕事や避けるべき環境、必要な合理的配慮なども分かります。

気分転換できる方法を見つける

ストレスが蓄積すると精神障害の症状が悪化し、就労の継続が困難な状態になりかねません。そのため、ストレスへの対処法を身に付けることも、精神障害のある方が安定就労するために重要です。

例えば、体調が悪いときは無理せずに休み、リフレッシュできる趣味やリラクゼーション法を探す必要があります。感情の波を緩和するために、一定時間ごとに休むなどのスケジュールを組むことも効果的です。

自分に合った職場を選ぶ

精神障害の症状と付き合いながらはたらきやすい、自分に合った職場を選びましょう。重要なポイントは、ストレスを軽減しながらはたらけることです。例えば、騒音や人混みが気になるのであれば、静かな環境ではたらける仕事や在宅勤務を選べる仕事が向いています。

障害者雇用専門の転職エージェントを活用する

精神障害のある方がご自身に合った仕事を探すためには、プロのサポートを得るのがおすすめです。例えば、障害者雇用に特化した転職エージェント「dodaチャレンジ」では、精神障害に関する専門知識や支援経験が豊富なキャリアアドバイザーが伴走し、適職を探すための支援が得られます。ご自身の障害特性や症状への理解を深め、どのような仕事・職場ではたらくのが向いているか、必要な配慮事項も含めて言語化できるようになる支援を受けられます

障害者向けのコミュニティサイトで相談する

精神障害のある方は「身近に相談できる人がいない」という悩みを抱えがちで、社会的な孤立や孤独感も症状悪化の原因となります。障害者向けのコミュニティサイトで、同じ精神障害のある方に悩みを相談することで、不安を和らげることができるでしょう。また、精神障害を乗り越えて転職・安定就労に成功した人のストーリーを知ることで、これからの働き方のヒントを得ることもできます。

精神障害や就労の悩みを「あしたのあるきかた」で共有してみよう

精神障害のある方は、職場の理解・配慮不足やコミュニケーションの課題などにより、仕事が続かない傾向があることは事実です。だからこそ、ご自身の障害特性や症状に合わせて、ストレスを軽減しながらはたらきやすい仕事を選ぶことが大切です。同じ境遇のある「仲間」と交流することで、そのヒントが得られるかもしれません。

障害のある方が匿名・無料で参加できるキャリア共創コミュニティ「あしたのあるきかた」では、自分以外の精神障害のある方々と交流できます。「どうすれば仕事が続くか」「症状と付き合いながらはたらくにはどうすべきか」など、今後の就労のためのヒントが得られます。この機会にぜひコミュニティに参加して、ご自身の働き方や転職活動について考えてみましょう。

非公開: 戸田 幸裕
監修者 パーソルダイバース株式会社 人材ソリューション本部 事業戦略部 ゼネラルマネジャー

戸田 幸裕

上智大学総合人間科学部社会学科卒業後、損害保険会社にて法人営業、官公庁向け営業に従事。2012年、インテリジェンス(現パーソルキャリア)へ入社し、障害者専門のキャリアアドバイザーとして求職者の転職・就職支援に携わったのち、パーソルチャレンジ(現パーソルダイバース)へ。2017年より法人営業部門のマネジャーとして約500社の採用支援に従事。その後インサイドセールス、障害のある新卒学生向けの就職支援の責任者を経て、2024年より現職。
【保有資格】国家資格キャリアコンサルタント、障害者職業生活相談員

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