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軽度の障害者が知っておきたい支援と向いている仕事|開示・非開示の判断軸も解説

「自分は軽度の障害者だが、どんな支援が受けられるの?」「障害者手帳を取得するほどではないのでは?」などの疑問・悩みがあるのではないでしょうか。軽度障害のある方は、ご自身の工夫で対処できる部分が多いがゆえに、サポートを受けるべきか・どう活用すべきか分からないという方は多いです。

しかし、障害が軽度な方であっても障害者手帳を取得することで、配慮を受けながらはたらける可能性があります。そこで本記事では、軽度障害のある方が障害者手帳を取得すべきか、また向いている働き方について詳しく見ていきましょう。

「軽度の障害者」とは?定義と特徴

「軽度の障害者」とは、日常生活や仕事に支障があるものの、適切な支援を受けることで自立して生活できる状態を指します。例えば、次のような障害特性がある場合は、軽度の障害者だと考えられるでしょう。

障害の種類 軽度の障害者に該当する特性
身体障害聴力がやや弱い、手足の一部に軽い不自由があるなど
発達障害対人関係や集中力に課題はあるが、適切な支援でカバーできるなど
精神障害うつ病や不安障害などで症状の波はあるが、安定期は勤務できるなど
知的障害IQ70前後など軽度の知的障害はあるが、生活に大きな支障はないなど

軽度の障害者の多くは健常者との境界があいまいなため、周囲から障害者であることが分かりづらく、「理解が得られない」という難しさがあります。

軽度の障害者もさまざまな支援が受けられる!

軽度障害のある方は、「自分の症状では支援制度の対象外なのでは?」「支援は必要ない」と考えてしまいがちですが、実際には次のような支援が利用できます。

障害者手帳

障害者手帳は、一定以上の障害があって支援を必要とする人に交付される手帳です。次の3種類のものがあり、軽度の障害者でも条件を満たせば交付される可能性があります。

障害者手帳の種類対象となる障害・疾患障害等級
身体障害者手帳       聴覚障害・視覚障害・肢体不自由など1~6級(6級が軽度)
精神障害者保健福祉手帳    発達障害や精神疾患1~3級(3級が軽度)
療育手帳(愛の手帳)知的障害自治体により軽度~重度など区分が異なる

(※身体障害の等級は7級まであるが、7級単独では手帳が交付されない)

障害者手帳を取得することで、障害者控除や医療費控除などの税制上の措置が受けられます。
障害者手帳の詳細については、以下の記事もご参考ください。

障害者手帳の等級による違いや基準をわかりやすく解説

自立支援医療制度

自立支援医療制度は、身体障害や精神障害のある方の治療に必要な医療について、医療費の自己負担額を軽減する制度です。条件を満たすことで、医療費の自己負担割合が1割になったり、自立支援医療費の支給が受けられたりします。通院や医薬品の負担軽減に役立つでしょう。

就労支援制度

軽度の障害者が安定してはたらくために、次のような就労支援を受けることができます。

障害者雇用制度 障害者雇用枠で就労できる
就労移行支援職業訓練と就労支援サービスが受けられる
就労定着支援一般企業に就職後に定着のためのサポートが受けられる

これらの支援により、就労のための準備を整えることや、障害への理解や配慮を得ながらはたらくことが可能です。なお、障害者雇用枠での就労については後述します。

軽度の障害者も「障害者手帳」を取得すべき?

軽度障害のある方は、障害が軽度で生活への支障が大きくないだけに、「手帳を取得するのは大げさでは?」「あまり意味がないのでは?」と迷ってしまいがちです。

これまでの経験から、ご自身の工夫で自然と対処しながら生活している方も多いですが、どんな場面でどのように工夫しているかという点に注目すると、「実は仕事や日常生活で必要な支援がある」と分かるケースがあります。

障害者手帳を取得することで、福祉サービスや各種制度を利用しやすくなります。障害の程度に関係なく、日常生活や就労で何らかの支援が必要だと感じている場合は、障害者手帳を取得する意義があります。

ただし、人によって障害者手帳を取得するほうが良いかどうかは異なるため、以下のポイントを意識して検討してみましょう。

障害者手帳を取得するほうが良いケース

次のようなケースに該当する場合は、障害者手帳を取得するメリットが大きいと考えられます。

  • 仕事で課題を感じることが多い
  • 通勤やはたらく環境で支援が必要
  • 障害者雇用で安定してはたらきたい

障害者手帳を取得する就労面でのメリットが、障害者雇用枠で就労できることです。一般雇用枠であっても、障害を開示してはたらくことで合理的配慮は得られますが、障害者雇用枠のほうがより柔軟で細かなサポートが受けられます

障害者手帳を取得しないほうが良いケース

次のようなケースでは、障害者手帳を取得するメリットが薄いと考えられます。

  • 現職/一般枠で十分な理解と配慮が得られる
  • 手帳を取得することへの抵抗感がある
  • 障害者手帳を取得するデメリットが気になる

障害者手帳を取得するデメリットとして、申請に時間と手間がかかることや、生命保険への加入や住宅ローンの利用が難しくなるケースがあることが挙げられます。障害者手帳を取得することに対し、「障害者というレッテルを貼られる感じがする」など、精神的な抵抗感がある方もいらっしゃいます。また、手帳の種類によっては有効期限があるため、定期的に更新する手間もかかる点が気になるかもしれません。

障害の開示・非開示どちらで就労するのが良い?

軽度の障害者にとって、障害者手帳の取得以外で悩ましい問題が、「障害を開示するかどうか」という点でしょう。障害者の就労の方法には次の3つのパターンがあるので、それぞれのメリット・デメリットを解説します。

一般雇用枠で障害を非開示ではたらく

一般雇用枠で障害を開示せず、健常者と同じようにはたらくという選択肢です。

メリット

 ● 職種の選択肢が広がる           
 ● 障害者雇用枠より給与水準が高い傾向がある
 ● キャリアアップを目指しやすい
デメリット

 ● 合理的配慮は受けにくい
 ● 障害に関する悩みを相談できない
 ● 負担やストレスで症状悪化の可能性がある

体調管理やストレスコントロールなどの点で、ご自身の工夫で十分対応できるのであれば、この働き方も十分可能です。

一般雇用枠で障害を開示してはたらく

障害者雇用枠ではなく、一般雇用枠で障害を開示してはたらくという選択肢もあります。

メリット 
 ● 合理的配慮を受けることができる
 ● 障害者雇用枠より職種の選択肢が広め
デメリット
 ● 配慮事項が給与水準に影響する可能性がある
 ● 障害者雇用枠と比べて柔軟な配慮は受けづらい

体調管理や勤務時間の調整など、ご自身の工夫だけでは限界があり、配慮が必要な場合の選択肢として有効です。なお、合理的配慮の提供については、「長期にわたる職業生活の制限」や「職業生活が著しく困難」といった要件があります。例えば、怪我・病気で一時的に仕事量を減らしている場合や、障害・症状が軽度で業務への支障が少ないなどの場合は、合理的配慮の対象外となるため注意が必要です。

障害者雇用枠ではたらく

障害者手帳を取得している場合、一般雇用枠とは別に設けられた障害者雇用枠で就労できます。

メリット

 ● 適切な合理的配慮を受けやすい
 ● 障害や症状について相談しやすい       
 ● 長期的に安定就労しやすい           
デメリット 

 ● 職種の選択肢が少ない
 ● 給与水準が低い
 ● キャリアアップの機会が得づらい

障害者雇用枠で就労する大きなメリットが、適切な合理的配慮により安心してはたらくことができ、長期的に安定してはたらきやすいことです。厚生労働省の「障害者雇用の現状等」によると、就職・転職してから1年後の職場定着率は、一般企業で障害非開示が約3割・開示が約5割に対し、障害者雇用枠では7割を超えています。安定して長期就労できる可能性を高めたいのであれば、障害者雇用枠での就労を検討してみましょう。

軽度の障害者に向いている仕事・働き方

軽度の障害者がはたらく際は、ご自身の障害特性に合った、ストレスが少ない仕事を選ぶことが大切です。障害の種類別に向いている仕事をご紹介します。

軽度の身体障害者の場合|身体的制限をカバーできる仕事

軽度の身体障害がある方の場合は、身体的な制限をカバーして、ほかの部分を活かせる仕事を選びましょう。例えば、下肢障害のある方の場合は座った状態ではたらくことができ、移動の必要性の少ない事務職・バックオフィス業務などが向いています。聴覚障害がある方は、電話対応の必要がないライター・軽作業・CADオペレーターなどです。

軽度の発達障害者の場合|得意分野や集中力を活かせる仕事

軽度の発達障害がある方は、ASDの場合は専門的なスキルや得意分野を活かせるITエンジニアやデザイナー、ADHDの場合は行動力を活かせる営業職などが向いています。また、イレギュラーが苦手な場合は経理や倉庫内作業など、ルールが明確でルーチンワークが主体の仕事が好ましいでしょう。

軽度の精神障害者の場合|プレッシャーが少ない仕事

軽度の精神障害者の場合は、ストレスやプレッシャーを感じると症状が悪化してしまうため、対人業務やノルマが少ない仕事が理想的です。例えば事務職や軽作業のように、ルーチンワークでイレギュラー対応が少ない仕事などが該当します。ライターやデザインなどのクリエイティブな分野も、一人でタスクをこなす業務が多いためおすすめです。

軽度の知的障害者の場合|手順が明確に決まっている仕事

軽度の知的障害がある場合は、複雑な計算が求められたり、変化が大きく臨機応変な対応が求められたりする仕事は避けましょう。製造業の組み立てラインやピッキング、清掃・梱包など、手順が明確なルーチンワークが適しています。

障害のある仲間に相談できる環境が理想的

軽度の障害者が受けられる支援については、障害者手帳の交付も含めて、あいまいな情報が多く「どうすればいいか分からない」ことが多いのが現状です。特に障害者手帳を取得すべきか、障害を開示してはたらくほうが良いかという点については、個々の障害特性や状況により変わります。

そのため、障害者向けのコミュニティに参加して、あなたと同じような状況にある人と悩みや疑問を共有することで、あなたに合った働き方を探すための答えが見つかりやすくなるでしょう。

軽度障害に関する悩みを「あしたのあるきかた」で相談してみよう

軽度障害のある方は、障害者手帳を取得すべきか、就職・転職時にご自身の障害について開示すべきかなど、選択肢が多い傾向があります。いずれの選択肢も、今回解説したようにメリット・デメリットがあります。だからこそ、障害特性や症状に合わせて適切な方法を選ぶために、さまざまな情報を集めることが大切です。

軽度の障害者の方が、障害者手帳や働き方について考えるためには、情報を集めることが重要です。障害者のためのキャリア共創コミュニティ「あしたのあるきかた」では、同じ障害や悩みがある仲間と交流することができます。同じ目標や課題、悩みを持つ仲間とオンラインでつながることで、「これからどうすべきか」について考えるヒントが得られるでしょう。

非公開: 戸田 幸裕
監修者 パーソルダイバース株式会社 人材ソリューション本部 事業戦略部 ゼネラルマネジャー

戸田 幸裕

上智大学総合人間科学部社会学科卒業後、損害保険会社にて法人営業、官公庁向け営業に従事。2012年、インテリジェンス(現パーソルキャリア)へ入社し、障害者専門のキャリアアドバイザーとして求職者の転職・就職支援に携わったのち、パーソルチャレンジ(現パーソルダイバース)へ。2017年より法人営業部門のマネジャーとして約500社の採用支援に従事。その後インサイドセールス、障害のある新卒学生向けの就職支援の責任者を経て、2024年より現職。
【保有資格】国家資格キャリアコンサルタント、障害者職業生活相談員

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