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自閉スペクトラム症(ASD)のある方に向いている仕事は?特性を生かして活躍する方法

公開日:
得意を伸ばして未来へ進む - 配慮で長く輝ける職場へ

自閉スペクトラム症(ASD)のある方は、対人コミュニケーション不全や強いこだわりから「就職先がなかなか決まらない」「職場で周囲とうまくいかない」「仕事が長続きしない」などと悩むケースも少なくありません。長く安定してはたらき続けるためには、障害特性を理解し、弱点をカバーできる仕事やはたらき方を知ることが大切です。この記事では、自閉スペクトラム症のある方に向いている仕事と、仕事探しのポイントを解説します。

自分に向いている仕事を考える際に考慮すべき自閉スペクトラム症(ASD)の特性

まず、自閉スペクトラム症(ASD)の特性を踏まえ、仕事でありがちな6つの困りごとを確認しましょう。

あいまいな指示がうまく理解できない

一般的に、自閉スペクトラム症のある方は、あいまいな指示を理解することが苦手です。「何を」「どのように」「いつまでに」などの具体的な指示がないと、優先順位のつけ方が分からないことがあります。

ミスやトラブルを減らすには、マニュアルやルールなどがあり、やるべきことが明確な仕事を選ぶことが推奨されます。また、周囲が障害特性を理解し、具体的な指示を出したり、ルールや手順を視覚化して分かりやすく示してくれたりといった協力が得られる職場を見つけることも重要です。

臨機応変な対応が難しい

自閉スペクトラム症があると、突発的な出来事が起きたとき、咄嗟の的確な判断が難しいことがあります。また、特性の一つでもある強いこだわりにより、マイルールから外れると、強いストレスや不安を感じてパニックになってしまうことも珍しくありません。

強いこだわりによるトラブルを減らす方法として、臨機応変な対応の少ない仕事を選ぶことが挙げられます。具体的には、工場のラインや清掃のほか、プログラマーをはじめとするIT系専門職種など、業務の内容と手順がある程度決まっており、単独業務やルーチンワークの割合が多い仕事がおすすめです。

コミュニケーションが一方通行になりがち

自閉スペクトラム症がある方は、興味・関心が極端なので、会話が自分もしくは相手の一方通行になりがちです。自分の好きなことや興味のある話は、相手の関心にかかわらず、ものすごい熱量で話す傾向にあります。

一方で、苦手なことや関心のない話題には興味が持てず、相手が熱心に話していてもなかなか頭に入ってきません。そのため、自閉スペクトラム症のある方が仕事に活き活きと取り組むには、興味・関心が強い業界・職種を選ぶことが推奨されます。

他者の気持ちや雰囲気が汲み取れない

自閉スペクトラム症の特性として、他者の表情や雰囲気から、相手の気持ちを読み取るのが難しいことが挙げられます。思ったことをストレートに伝えてしまったり、状況にかかわらず正論だけを強く主張してしまったりして、意図せず相手を傷つけ、不和を招くこともあるかもしれません。

人とのコミュニケーションがどうしてもうまくできないという方は、対人コミュニケーションや折衝の少ない仕事を選ぶことで、無理なくはたらけるようになります。

相手に誤解を与えやすい

自閉スペクトラム症のある方は、特性である独自の強いこだわりや、ストレートな物言いから、誤解を受けたり、わがままに見られてしまったりすることもあるでしょう。また、話していても視線が合わなかったり、一定しなかったりする方もおり 、相手から「変わった人」「自分に興味がない」と思われてしまうこともあるかもしれません。

こうした誤解を防ぐためには、まず周囲からの理解を得ることが不可欠です。加えて、人との会話よりデスクワークやパソコン操作が中心となる仕事や、テレワーク・在宅ワークなど対面業務の少ない仕事なら、周囲の反応を気にするストレスが減らせます。

刺激に敏感に反応してしまう

自閉スペクトラム症の特性の一つに、視覚や聴覚、触覚など五感のいずれかが敏感に反応しやすい「感覚過敏」があります。どの感覚が過敏かは人それぞれですが、光や音、皮膚感覚などが敏感で、ちょっとした刺激にも拒否反応を覚えることで、日常生活や仕事に支障をきたすケースも少なくありません。

従って、騒音や強い光が当たる環境、人や物に触れる業務が多いなど、苦手な種類の刺激に触れる機会の多い仕事は苦痛になる可能性が高いです。自分にとって落ち着ける環境や、デスク・作業場の配置に配慮してもらえる職場など、感覚過敏への配慮が得られる仕事を選ぶことで、無理なくはたらけます。

自閉スペクトラム症(ASD)のある方が仕事で活かせる強み

自閉スペクトラム症(ASD)のある方が仕事で活かせる強み

自閉スペクトラム症(ASD)の特性は、本人にとって障壁になりやすい一方で、仕事に活かせる強みとして発揮されることもあります。

好きなことには抜群の集中力を発揮する

自閉スペクトラム症がある方は、関心のないことに興味が持てないことが多い反面、好きなことや興味のあることには極めて高い集中力を発揮します。いわゆる「ゾーン」といわれる没頭した状態に入ることで、大きな成果を上げる方も少なくありません。

つまり、自閉スペクトラム症のある方特有の過集中は「好きこそものの上手なれ」を体現しているといえます。一般論は参考程度に留め、自分が好きなことを優先できる仕事を選ぶほうが、活躍できる可能性が高まります。

小さな差異や違和感を敏感に察知できる

自閉スペクトラム症の特性である「細かいこだわり」は、高度な観察力として発揮されることがあります。例えば、周囲が見落としてしまうような小さな違いや違和感を、敏感に察知できる方が多いです。

また、物事の法則を見つけ出すことが得意分野だという方もいます。こうした特性を活かせるIT技術者や校正、研究職などの仕事に就けば、自分の強みを発揮して活躍できるかもしれません。

決められた手順・ルールを忠実に守れる

自閉スペクトラム症のある方は、突発的な出来事に弱い一方で、一度決めたことは忠実に守り抜こうとする傾向にあります。決められたルールや手順を正確に守りつつ、迅速かつ丁寧に業務を遂行できることは、さまざまな仕事で求められる能力の一つです。

特に、ライン作業や検査・管理など、高い安全性や効率性が求められる仕事において、重宝される人材になれる可能性を秘めています。

自閉スペクトラム症(ASD)のある方が自分に向いている仕事を見つけるために大切なこと

自閉スペクトラム症(ASD)のある方が自分に向いている仕事を見つけるために大切なこと

自閉スペクトラム症(ASD)のある方が、自分に向いている仕事を見つけるための4つのポイントを紹介します。

障害者雇用枠を選択肢に入れる

自閉スペクトラム症で障害者手帳をすでに持っている、もしくは取得できる可能性のある方は「障害者雇用枠」を選択肢に入れてみることをおすすめします。

障害者雇用枠とは、障害開示と、個々の特性に応じた合理的配慮の提供を前提とした求人枠です。障害への理解があり、個別の合理的配慮が得られる仕事の中から、自分に向いている仕事を探せるようになります。

配慮事項を整理しておく

自閉スペクトラム症のある方が必要な配慮を得るには、配慮事項の明確化が大切です。特性やその程度は人によって大きく異なるため、どのような仕事に就くにしても、自分に必要な配慮事項を明らかにし、それを周囲に分かりやすく伝えるというプロセスが欠かせません。

配慮事項の明確化には、まず障害理解を深めることがファーストステップです。自分の障害特性とできること・できないこと、得意・不得意などを分析し、それを踏まえてどのような配慮があればより良くはたらけるようになるかを整理しましょう。

障害者支援に特化した制度やサービスを活用する

「自分に向いている仕事が分からない」という場合は、障害者支援を目的とする制度やサービスを活用してみるのも一つの方法です。例えば、ハローワークの障害者窓口では、専門職員による相談受付やキャリアに関するアドバイス、障害者雇用枠の求人紹介が受けられます。また、就労移行支援事業所に通所すれば、基本的なビジネスマナーやコミュニケーションスキルの習得、職業習慣といった就労の土台となる「職業準備性」を身につけることが可能です。

さらに、障害者向け転職・就職エージェントに登録することで、一般公開されない「非公開求人」を含む求人の紹介や、一人ひとりの課題に合わせてパーソナライズされた就活アドバイスなど、自分に向いている障害者雇用枠の仕事が探せます。こうした就労支援制度・サービスを活用することで、自分に合った仕事や働き方がぐっと見つかりやすくなるはずです。

気軽に相談できる相手を確保する

仕事や働き方に迷ったり悩んだりしたとき、その悩みを一人だけで抱えていると、不安に押しつぶされそうになることもあるでしょう。また、仕事や働き方を変えたいと思っても、一歩を踏み出すには勇気がいるものです。

そんなとき、背中を押してくれる相手がいれば、不安や恐怖がぐっと和らぎます。悩みを共有し、相談する中で、自分では思いつかなかった解決のヒントが得られるかもしれません。身近な人には話しづらいなら、障害者が集う匿名のオンラインコミュニティを活用すれば、同じ悩みや課題、目標を持つ仲間がきっと見つかります。

向いている仕事に出会えた!自閉スペクトラム症(ASD)がある方の転職事例

ここでは、障害者のための転職・就職支援サービス「dodaチャレンジ」における転職事例のうち、自閉スペクトラム症(ASD)のある方の体験談を紹介します。

はたらいてみて分かった大人の発達障害。障害者雇用への転換で理解のある職場へ転職

自閉スペクトラム症だと診断されたことで「はたらき始めてから感じていた周囲との違いに納得がいった」と言うMさん。診断後もしばらくは一般枠のままはたらき続けたものの、勤務地が変わり、身体的負荷の大きさから、理解と合理的配慮の得られる仕事を求めて障害者雇用枠の仕事への転職を決意。苦手な親睦会への参加が強制されない、質問しやすいといった障害特性に合わせた配慮が得られる職場で、自分らしくはたらけているそうです。

障害理解が自信回復のきっかけに。徹底した面接対策で大手企業・在宅勤務の正社員に転身

会社勤めを経て、フリーランスのWebデザイナーとしてはたらいていたKさん。不得意な対人コミュニケーションの多い働き方に限界を感じて受診したところ、自閉スペクトラム症だと診断されました。診断を受けたことで、障害への理解を深め、失いかけていた自信を回復。障害者雇用枠での転職を決意し、キャリアアドバイザーの協力を得て苦手分野の面接を集中的に対策したことで、フル在宅勤務ではたらける大手企業への就職に成功しました。その後、正社員登用制度で正社員に転身し、未経験の業務にもチャレンジしていきたいと考えているそうです。

頼れるサポーターがいれば自閉スペクトラム症(ASD)のある方に向いている仕事がきっと見つかる!

自閉スペクトラム症(ASD)のある方が仕事で活躍するには、障害特性と配慮事項を明確化し、個々の特性に応じた合理的配慮が得られる仕事を選択することが重要です。困りごとをカバーしつつ、高い集中力や観察力、遂行力といった特性ならではの強みを活かせる仕事を探してみてください。

仕事や仕事探しを進めるうえで大切なポイントとなるのが「専門知識のあるサポーター」と「同じ目標を持つ仲間」を見つけることです。適切な支援を受けることで、適職を見つけて安定就労を実現できる可能性が高まります。

身近に相談できる相手がいないという方は、障害者のためのキャリア共創コミュニティ「あしたのあるきかた」で仲間を探してみませんか。無料かつ匿名で、気軽に登録できます。仲間と共に学び合いながら一歩を踏み出し、自分らしくはたらく未来を切り開いていきましょう。

非公開: 戸田 幸裕
監修者 パーソルダイバース株式会社 人材ソリューション本部 事業戦略部 ゼネラルマネジャー

戸田 幸裕

上智大学総合人間科学部社会学科卒業後、損害保険会社にて法人営業、官公庁向け営業に従事。2012年、インテリジェンス(現パーソルキャリア)へ入社し、障害者専門のキャリアアドバイザーとして求職者の転職・就職支援に携わったのち、パーソルチャレンジ(現パーソルダイバース)へ。2017年より法人営業部門のマネジャーとして約500社の採用支援に従事。その後インサイドセールス、障害のある新卒学生向けの就職支援の責任者を経て、2024年より現職。
【保有資格】国家資格キャリアコンサルタント、障害者職業生活相談員

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