障害者向け採用面接マニュアル|よく聞かれる質問・回答例と好印象な受け答え
就職活動の際、多くの方が直面する大きな課題となるのが「採用面接」です。障害者雇用の面接で聞かれる質問や障害の伝え方などが分からず、不安に感じている方もいるでしょう。 本記事では、障害者雇用の採用面接で…
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「逆質問」は、採用面接で企業や仕事への熱意を伝える重要なパートです。質問内容次第で面接官に与える印象を大きく変えるポイントとなるので、どのようなことを質問すれば良いか不安に感じている方もいるのではないでしょうか。この記事では、障害者雇用の採用面接対策に役立つ逆質問の具体例と成功の秘訣を分かりやすく解説します。
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採用面接における「逆質問」とは、採用面接の締めくくりなどに面接官から「何か質問はありませんか?」と質問されることを指します。聞き忘れたことや伝えそびれたことをカバーするとともに、仕事に対する熱意や自分のアピールポイントを伝えるきっかけにもなる重要なプロセスです。逆質問を求められた際に何も尋ねないと、面接官から「意欲が低い」と見直される恐れがあるので、本番で慌てないよう事前準備をしっかりと行いましょう。
障害者雇用の採用面接でぜひ聞いておきたい逆質問を、4つのカテゴリに分けて説明します。
逆質問で、配属予定の部署の基本的な業務内容や、入社後のスケジュールを確認しておけば、就労後の働き方が具体的にイメージしやすくなります。また、社内で活躍している障害者の事例を尋ねることで、自分のキャリアパスを明確にするヒントが得られるでしょう。さらに、将来的に携わりたい業務や事業について質問しておくと、企業への貢献意欲やスキルアップの熱意を伝えられます。
社風や仕事のやりがいを質問する中で、企業とのマッチングを見極めるヒントが得られます。面接官の方へ仕事のやりがいや入社のきっかけを尋ねるのも、熱意が伝わりやすいのでおすすめです。
入社前に必要な準備や心構えを尋ねておくことで、就業に対する前向きさをアピールできます。具体的には、企業が社員に求めることや、取得が推奨される資格・スキルなどを確認しておくとよいでしょう。面接官にアピールしたい特技や長所があるなら、質問の中にさりげなく盛り込むのも良いアイデアです。
障害のある方が無理なく安定してはたらき続けるためには、自分の障害特性を踏まえ、配慮事項を明示することが大切です。また、配属先における障害者の有無および合理的配慮に関する質問は、トラブル防止のほか、周囲とうまくやっていこうとする意欲を伝えることにもつながります。特性によって不可能なことに加え、どのような配慮を求めているかを明確に伝えましょう。
ただし「配慮が当然」といった態度を取ると、面接官に悪印象を与えてしまうかもしれません。自分の障害特性を踏まえて「御社で最大限の力を発揮するために必要な配慮」という形で、謙虚に伝えるよう心がけましょう。
大前提として、逆質問を求められたからといって、何でも自由に聞いてよいわけではありません。特に、昇給や休暇、残業の有無といった労働条件に関することは、聞き方を誤るとネガティブな印象になりかねないので注意が必要です。「会社に貢献するため」ということを念頭に、極力ポジティブな表現に置き換えるとよいでしょう。
また、調べれば分かることを聞くのは失礼にあたるうえ、リサーチ力や企業に対する熱意が不足していると見なされる可能性があるので、極力避けてください。加えて、質問するタイミングは2回目以降の面接時にするほうが無難です。もし転職エージェントのような就労支援サービスに登録している場合は、事前に質問内容を担当のキャリアアドバイザーと相談して備えておくことで、スムーズに伝えられるようになります。

ここからは、採用面接の逆質問を成功へ導くための4つのポイントを紹介します。
逆質問への回答内容に感情を逐一表してしまうと、面接官に悪い印象を与えることがあります。社会人のマナーとして不適切なうえ、条件や環境を選り好みしているという風に取られかねません。どのような回答が返ってきても「分かりました」「ありがとうございます」と冷静に対応することで、イメージダウンを回避し、落ち着いた印象が与えられます。
質問したいことを聞き終えたら、その旨を面接官へきちんと伝えましょう。黙っていたり、間が空きすぎたりすると、コミュニケーション力に難ありと見なされる恐れがあります。「以上です」と締めたうえで、質問させてもらったことへの感謝を伝えることも忘れないようにしてください。
本番前に模擬面接で備えておけば、慌てず落ち着いて受け答えできるようになります。また模擬面接では、所作や話し方など、自分では気づきにくいポイントの具体的なアドバイスも得られるため、本番へ向けて大きな助けとなるでしょう。ハローワークや転職エージェントのような就労支援サービスも活用して応募書類の作成や面接対策を進め、本番に自信を持って臨めるよう備えましょう。
同じ目標や似たような条件で面接を受けた仲間に体験談を聞くことで、成功のヒントが得られることがあります。また、不安な気持ちを誰かと共有するだけでも心が落ち着き前向きな気持ちになれる効果も期待できます。「身近な人には話しづらい」「相談できる相手が見つからない」という場合は、コミュニティサイトを活用して仲間を募ってみるのも選択肢の一つです。

逆質問でどのようなポイントをチェックされているかを知り、事前に準備しておくことで、イメージアップが図れます。尋ねる内容はもちろん、聞き方や態度にも注意して、自分の強みを効果的にアピールしましょう。
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上智大学総合人間科学部社会学科卒業後、損害保険会社にて法人営業、官公庁向け営業に従事。2012年、インテリジェンス(現パーソルキャリア)へ入社し、障害者専門のキャリアアドバイザーとして求職者の転職・就職支援に携わったのち、パーソルチャレンジ(現パーソルダイバース)へ。2017年より法人営業部門のマネジャーとして約500社の採用支援に従事。その後インサイドセールス、障害のある新卒学生向けの就職支援の責任者を経て、2024年より現職。
【保有資格】国家資格キャリアコンサルタント、障害者職業生活相談員