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障害者の就活対策は自己分析から!自己理解を深めるワークシート

公開日:
自己分析で未来を描こう!~自己理解から始める未来へ~

就職活動を始めるにあたって、はじめに取り組むべきことは「自己分析」です。「向いている仕事がわからない」「何をアピールすればいいのか悩む」といった不安を抱える方にとって、自己分析は就職活動の心強い味方となります。本記事では、自己分析の基本や進め方、就職活動に活かすポイントなどを、障害者雇用の視点も踏まえて分かりやすくまとめました。

障害者にとっての自己分析とは?

そもそも「自己分析」とは、自己理解を深めることです。長所や短所、持っているスキルなどを深掘りし、客観的な視点から自身を構成する要素を明確化します。

就職活動を成功させるには、あらかじめ自分に合った仕事や会社、キャリアプランを明確に思い描いておくことが大切です。特に障害のある方にとって、自己分析は特性への理解を深め、受容し、それを周囲にも分かりやすく伝えられるようになるために     欠かせないプロセスになります。

はじめて就職活動する際はもちろん、以前やったことのある方や中途採用・転職を目指す場合にも、自身の強みを再発掘するために自己分析を行うべきだといえます。

自己分析の3つの軸「WILL・CAN・MUST」

自己分析には、軸となる3つの概念があります。障害のある方が自己分析に取り組むにあたっては、まず次の3点を明らかにしておきましょう。

  • WILL:やってみたいこと
  • CAN:できること
  • MUST:やらなければならないこと

WILL:やってみたいこと

1つ目の軸となる「WILL」は、簡潔にいうと「どのような仕事をやってみたいのか」ということです。前職や現在持っているスキルに関連することのほか、まったく経験のない内容でも構いません。将来的な目標や、仕事を通してどのような自分になりたいのかを考えてみてください。

CAN:できること

2つ目の軸は「CAN」です。具体的には、今の自分ができることや、得意なことが該当します。今の自分にできることが把握できれば、できないことや足りないこと、課題も見えてくるはずです。併せて、できるようになるために必要な配慮の内容も考えてみることで、自己分析がより深まります。

MUST:やらなければならないこと

3つ目の軸となるのは「MUST」です。社会で求められる自らの「役割」を指します。自分の力が社会にどのような形で貢献できるのかを考えてみてください。社会情勢や就業を目指す業界の動向もチェックし、自身の果たすべき役割が何かを明らかにしましょう。

障害がある方の自己分析の進め方

ここでは、自己分析の具体的な手順を5つのステップに分けて説明します。先述の3つの軸「WILL」「CAN」「MUST」も意識しながら、1つずつ取り組んでいきましょう。

1.自分史を作る

まず、これまでの体験やキャリアを振り返り、自分史を作ります。現在の自分を構成する要素は、過去の積み重ねです。過去を振り返ることで、まだ気づいていない一面を発見するきっかけにもなり、自分の性格が客観的に把握できるようになります。
これまでの経歴や習得しているスキル・資格のほか、仕事に直接関係ないプライベートなことも含めて思いつくままに書き出してみてください。実際にあった具体的なエピソードも踏まえ、年表形式で書き出すと分かりやすくまとめられます。

2.職業観を把握する

次に、前のステップで作成した自分史を基に、好きなことや興味を深掘りしていきます。それぞれの経験の中で考えたことや学んだことなどに対して「なぜそう感じたのか」と自己問答を数回繰り返してみてください。仕事に求めるものや何のためにはたらくのか、どのような働き方が適しているかを明らかにし、自身の職業観を把握しましょう。

3.障害特性への理解を深める

障害がある方の自己分析では、自己理解とは別軸で、障害特性に対する理解を深めることが重要です。特に、障害者雇用枠での就職を目指しているなら、障害に関することは必ず聞かれる項目だといえます。

自らの障害の特性を踏まえ、できること・できないことをリストアップしてみましょう。どのような状況で特性が顕著に現れるのか、どういった配慮があれば問題なくはたらけるのかなども含め、障害を客観視することで、自己理解が深まります。

4.求める仕事像を固める

自身の現状が把握できたら、それを踏まえてどのような仕事に就きたいのかを考えます。スキルが活かせる仕事のほか、身体障害があって重労働が難しいならデスクワークや外勤の少ない仕事、人との会話が苦手なら最低限のコミュニケーションで済む仕事など、できないことから逆算して考えてみるのもよいでしょう。

5.文章化する

これまでのステップで明らかにしたことを、文字でまとめます。その際、難しい言葉を使う必要はありません。自分の言葉でまとめることで、内容に説得力が生まれ、エントリーシートや面接でも説明しやすくなります。もしうまくまとまらないときは、最初のステップに戻ってやり直してみましょう。

障害者の自己分析をスムーズにする3つのポイント

自己分析では、次の3つのポイントを押さえることで、より深掘りできるようになります。

  • 1.マインドマップを活用する
  • 2.他己分析を併用する
  • 3.就活のプロの力を借りる


1.マインドマップを活用する

マインドマップ」とは、思考や情報を流れとして整理するフレームワークです。頭の中を順序立てて言語化・視覚化することで、全体像が把握しやすくなります。

やり方は、まず一つのテーマやキーワードを決め、そこから連想される言葉を枝分かれするように書き出していきましょう。書き出した言葉に対し、自己問答を繰り返すことで、自身の志向の傾向や、新たな気づきが得られます。

2.他己分析を併用する

他己分析」とは、他者から見た自分像から自己理解を深める手法です。家族や友人・知人などの身近な第三者の意見を取り入れることで、自分では気づかなかった新たな一面が見えてきます。

なお、自己分析と他己分析を組み合わせた自己理解のフレームワークを「ジョハリの窓」といい、次のように表されます。

開放の窓
(自他ともに理解している自分)
盲点の窓
(自分では気づいていないが他者は知っている自分)
秘密の窓
(自分では認識しているが他者には見せていない自分)
未知の窓
(誰も気づいていない自分)

ジョハリの窓を活用することで、自分と他者の認識のズレを埋め、より深く理解できるようになります。長所や短所を客観視できるとともに、人間関係やコミュニケーションを円滑にするきっかけにもなるので、自分の成長を促すためにもぜひ活用してみてください。

3.就活のプロの力を借りる

はじめて自己分析する方や、知識・ノウハウがない方が単独で自己分析を深めるのは至難の業です。自己分析に悩んだときは、プロの力を借りましょう。家族や友人・知人などの身近な周囲に相談に乗ってもらうほか、プロの力を借りることで、さらに深く多角的な自己分析が可能になります。

おすすめの相談相手は、障害者専門の転職・就職エージェントです。一人ひとりの特性や希望に合わせて、パーソナライズした支援が受けられます。担当のキャリアアドバイザーがあなたの味方となり、助言を受けながら一緒に自己分析を深めていくことで、本当の自分や心からの望みが見えてくるはずです。

障害者の就活における自己分析結果の応用法​

​​自己分析の結果は、就職活動におけるさまざまなシーンで活用できます。ここからは、重要性の高い3つの応用方法をみていきましょう。​ 

1.エントリーシート・履歴書

​​エントリーシートや履歴書の作成は、就職活動における第一関門です。何の準備もなく取りかかると、どう書けばよいか悩み​​すぎる​​あまり、途中で断念するケースも少なくありません。​ 

​​自己分析であらかじめ仕事に対する自身の考えや強みをまとめておけば、エントリーシートや履歴書を作成する際、アピールポイントを漏れなく記載できる​​ようになります。​ 

2.職務経歴書

​​職務経歴書は就職活動の際に提出を求められることの多い書類の一つですが、何を書けばよいか分からず悩む方もいるでしょう。そのようなときこそ役立つのが自己分析です。自己分析は、​​自身のキャリアの棚卸し作業​​でもあります。深掘りしたスキルや経歴が、採用における重要な判断基準の一つになることも珍しくありません。​ 

​​自己分析の結果を職務経歴書に活かすポイントは、​​これまでのキャリアを簡潔かつ見やすくまとめる​​ことです。応募先の会社で活かせそうな経歴やスキルを中心に、担当業務や使用ツールの詳細も含めて記載してみてください。自分には大したキャリアがないと心配している方でも、​​自己分析でキャリアやスキルを洗い出しておく​​ことで、職務経歴書に書くべき内容が明らかになります。​ 

3.採用面接

自己分析は、採用面接の準備としても有効な手段です。面接で必ずといってよいほど聞かれる「自己紹介」「志望動機」「転職理由」などの質問への備えとなります。

自己分析の3つの軸「WILL」「CAN」「MUST」を踏まえ、質問への回答に具体的なエピソードを添える
ことで説得力が増します。予想外の質問がきても、自己分析を深めていれば一貫性のある回答が返せるようになり、好印象が与えられるでしょう。

一人で自己分析できないときは障害者雇用の専門家や仲間と悩みを共有しよう!

障害のある方にとっての自己分析は、仕事や職場とのミスマッチを防ぐうえで欠かせないステップです。自らの強みや価値観、障害特性をあらかじめ整理しておくことで、働き方や職場選びの軸が明らかになります。第三者の意見も取り入れながら自分がやってみたいことや今できること・できないこと、社会でどのような役割が果たせるのかを考え、自己分析を深めましょう。

就職活動や自己分析に関して相談できる相手がいない」「身近な人には相談しにくい」という方は、コミュニティで相談してみませんか。立場や目標の同じ仲間と交流することで、実体験に基づく課題解決のヒントが得られるかもしれません。誰かに今の気持ちを話すだけでも、心が軽くなり、前向きになれます。あなたは一人ではありません。ぜひ気軽にご相談ください。

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「あしたのあるきかた」

非公開: 戸田 幸裕
監修者 パーソルダイバース株式会社 人材ソリューション本部 事業戦略部 ゼネラルマネジャー

戸田 幸裕

上智大学総合人間科学部社会学科卒業後、損害保険会社にて法人営業、官公庁向け営業に従事。2012年、インテリジェンス(現パーソルキャリア)へ入社し、障害者専門のキャリアアドバイザーとして求職者の転職・就職支援に携わったのち、パーソルチャレンジ(現パーソルダイバース)へ。2017年より法人営業部門のマネジャーとして約500社の採用支援に従事。その後インサイドセールス、障害のある新卒学生向けの就職支援の責任者を経て、2024年より現職。
【保有資格】国家資格キャリアコンサルタント、障害者職業生活相談員

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